利用できるクラウド・コンピューティング・ツールは?
クラウドのワークロードを配置して微調整するのは、容易なことではありません。多くのクラウド管理プラットフォームには、リソースをより効率的に使用できるようにするワークロード最適化ツールが含まれています。この最適化は多くの場合、個々のアプリケーションを、そのアプリケーション固有のパフォーマンスとコストの要件をサポートするクラスターに移行することで実現されます。
インテルは、幅広いソフトウェア・ベンダーやクラウド・サービス・プロバイダー (CSP) と協力し、ソフトウェア・スタックの統合を通じてインテル® プラットフォームのテクノロジーを利用できるようにしています。
またインテルは、クラウドへの取り組みのあらゆる段階において、クラウド・コンピューティングの運用のパフォーマンスとコスト効率を向上させるために、クラウド専用のさまざまなソフトウェア・ツールを提供しています。
これらのクラウドツールの多くは、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーやその他のインテル® プロセッサーとプラットフォームのハードウェア支援型機能を活用し、クラウド運用のコスト効率をさらに向上させます。インテルのテクノロジーを基盤としたクラウド・インスタンスは、世界中のほとんどの CSP から簡単に利用できるため、組織はこれらのソフトウェア・ツールとハードウェア支援型機能を活用できます。
エンタープライズ・データセンターや CSP におけるインテルの強力なプレゼンスにより、クラウドへの移行において、クラウドでの互換性、柔軟性、スケーラビリティーをサポートする共通のハードウェア・プラットフォームを活用できます。インテルのプラットフォームとツールは、オンプレミスのインフラストラクチャーからプライベート・クラウド、パブリック・クラウド、ハイブリッド・クラウド、マルチクラウド導入へのスムーズな移行を支援します。
移行前の計画を簡素化するクラウドツール
クラウドへの移行は、オンプレミスのデータセンターからプライベート・クラウドやハイブリッド・クラウド環境へのワークロードの移行を行う「リフト・アンド・シフト」から始まる場合があります。残念なことに、こうした移行は一見単純に見えても、クラウドリソースの割り当てが不適切であったり、コストの大幅に超過する可能性があったりすることに多くの組織が気付いています。
移行前の詳細な調査と計画においては、組織の短期的および長期的な戦略目標だけでなく、計画されているすべてのクラウド導入モデルとユーザーの重要な要件を考慮に入れる必要があります。
LAB の Dr Migrate3 は、移行を評価するための重要なクラウドツールです。Dr Migrate は、クラウドへの移行を簡素化し、迅速化するための、AI を活用したフレームワークを提供しています。Dr Migrate は、アプリケーション、ワークロード、接続、リソースのニーズを自動的に分析し、ビジネス目標をサポートする包括的な移行計画を策定します。
クラウド・インフラストラクチャーの計画と設計を行うためのその他の移行前ツールとしては、インテル® Xeon® プロセッサー・アドバイザー・スイートがあります。
移行中のためのクラウドツールでパフォーマンスを向上
また、移行中にインフラストラクチャーの最適化に注力することで、優れた結果を得られます。Densify のインテル® クラウド・オプティマイザーは、機械学習を導入して組織のさまざまなクラウド・ワークロードを自動的に分析し、CSP が提供するプラットフォームとサービスの組み合わせとマッチングします。
インテル® クラウド・オプティマイザーは、組織の購入プロセスが分散または断片化されている場合でも、よりコスト効率の高いインスタンス・タイプの採用や、CSP との契約の統合と最適化を支援する一連の提案を継続的に作成します。インテル® クラウド・オプティマイザーは、インテルからサブスクリプション・ベースで利用できます。
インテルのクラウド製品とソリューション
インテルは、クラウド開発ツールとプラットフォームの他にも、コンパイラー、開発者キット、コード・ライブラリー、リファレンス・モデルなどに加えて、クラウドへの取り組みのためのトレーニングとサポートも提供しています。
また、オンプレミス環境で作成される他のソフトウェア・ツールを使用して、クラウド・インスタンスのパフォーマンスを向上させ、ワークロードの移植性を向上させることもできます。
インテルは、1998年以来クラウドを支援してきました。現在では、インテル® プロセッサーを搭載した 1,500 万台以上のサーバーが、主要なクラウド・サービス・プロバイダーでワークロードを実行しています。インテルのプラットフォームは、ほぼどこにでも存在し、ソフトウェアとハードウェアのソリューションの大規模なエコシステムと伴って、エッジからクラウドへのワークロードの移行を容易にするための、一貫性があり安定したテクノロジー・スタックを備えています。
インテルのクラウド・テクノロジーは、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーに統合された専用設計のインテル® アクセラレーター・エンジンと、その他のコンピューティング、ネットワーキング、ストレージ製品により、クラウドの開発と導入をサポートします。
インテル® デベロッパー・クラウドは、インテル® oneAPI クロスアーキテクチャー・アプリケーションについて学習し、プログラミングするための無料の仮想開発サンドボックスです。インテルの最新ハードウェアのリモートクラスター上で、ワークロードを無料で開発、テスト、および実行できます。
部門横断的なクラウド管理
クラウドの実装は、非常に複雑となる場合があります。これは、多くの要件のバランスを取り、コストを抑えながらパフォーマンスの期待を満たすか、それを上回るよう組織が求めるためです。初期段階および継続的なクラウド開発においては、将来における組織の予測不能なニーズに対応するための柔軟性とスケーラビリティーを確保する必要があります。
クラウドの移行と管理は、企業全体に重大な影響を与えるため、戦略的な取り組みとして扱う必要があります。IT、開発、財務のリーダーシップを組織の包括的な計画と目標と一致させるには、FinOps のフレームワークと部門横断的なチームが役立ちます。
クラウドツールは、ワークロードの配置とワークロード自体を最適化することで、市場への投入までの時間の短縮、パフォーマンスの向上、クラウドベース運用の総コスト削減により FinOps をサポートし、ビジネス目標の達成を後押しできます。
また、Microsoft、Red Hat、SUSE OpenStack、VMware、Google Cloud などのベンダーによるクラウド管理プラットフォームも、ハイブリッド・クラウド・モデルやマルチクラウド・モデルを、すべてのワークロードを統合したビューで可視化できます。
これらのプラットフォームにより、クラウド間のワークロードの動的な移動や、必要に応じたリソースのスケールアップやスケールダウンが容易になります。これらのアプリケーション内にある統合されたクラウド管理ダッシュボードも、ポリシー管理、自動化、情報追跡を簡素化するために役立ちます。
パフォーマンスの最適化は、運用効率の向上にも貢献し、コストの大幅な削減につながります。インテルは、グローバルなパートナー・エコシステムと協力して、コストの削減とサステナビリティーの向上に役立つ、高品質で最適化されたパフォーマンスと電力効率を備えたソリューションを提供しています。
インテル® パートナー・アライアンスおよび Cloud Insider Community のメンバーである認定クラウドパートナーは、これらのツールやその他のクラウド最適化ツールを顧客に提供できます。
インテルのクラウドパートナーは、インテル® Optimization Hub にある追加のリソースを活用できます。これは、ハードウェア・アクセラレーター、ソフトウェア・ビルド、オープンソースのライブラリーとドライバー、レシピ、ベンチマークに関するガイドです。