一般的なロボットの種類
ロボットメーカーが、機能、価格とフォームファクターにおけるイノベーションを実現し続ける中、ロボティクス・ソリューションが実装される業界とアプリケーションの数は増え続けています。プロセシング性能と AI 機能の進歩により、数多くの形で重要な目的を果たすためにロボットを利用できるようになりました。
ロボットのアプリケーションには、道案内、棚詰め、危険な環境での金属溶接など大きな幅がありますが、今日のロボットは一般に 6 つのカテゴリーに分類できます。
自律移動ロボット (AMR)
AMR は、世界中で導入されており、移動しながらほぼリアルタイムで判断を行います。センサーやカメラなどのテクノロジーを使い、AMR は周辺に関する情報を取り込みます。オンボードのプロセシング装置がその情報を分析して、近づいてくる労働者を避ける、正確な荷物を持ち上げる、あるいは消毒に適切な表面を選択するなど、情報に基づいた判断を行います。AMR は、作業遂行のために人からのインプットをほとんど必要としない移動型のソリューションです。AMR について詳しくはこちらを参照してください。
無人搬送車 (AVG)
AMR は環境を自由に移動する一方で、AGV はレールまたは事前に定義された道筋に頼り、多くの場合オペレーターによる監視が必要です。通常は、倉庫や工場内の管理された環境で資材を搬送したり物品を移動したりするのに利用されます。
多関節ロボット
ロボットアームとも呼ばれる多関節ロボットは、人の腕の機能を模倣するものです。通常は、2 ~ 10 個の回転関節が備わっています。関節または軸の数が 1 つ増えるごとに動きの自由度が高まり、アーク溶接、マテリアル・ハンドリング、マシンテンディング、パッケージングに最適です。多関節ロボットとロボットアームについて詳しくはこちらを参照してください。
人型
多くの移動式人型ロボットは、厳密に言えば AMR の範疇に含まれるかもしれませんが、人間型という用語は、人間主体の機能を果たし、多くの場合、人の形をしたロボットを指して使われます。人型ロボットは、AMR と同じテクノロジー・コンポーネントの多くを利用して、認識、計画、行動し、案内やコンシェルジュ・サービスの提供といったタスクを遂行します。
協働ロボット
協働ロボットは、人と並んで、あるいは人と直接関わって機能するよう設計されています。ほかの種類のロボットの大半は、独立して作業したり、厳密に作業エリアに隔離されたりしますが、協働ロボットは労働者と空間を共有して、労働者がより多くの成果を出せるように支援します。通常は、手作業で行われる、危険なまたは過酷な作業を毎日のワークフローから取り除くために利用されます。人の動作に反応し、人の動作から学習することで稼働できる協働ロボットもあります。
ハイブリッド
より複雑な作業を実行できるハイブリット・ソリューションを作成するため、さまざまなタイプのロボットを組み合わせることも多くあります。例えば、AMR をロボットアームと組み合わせて倉庫内で荷物を処理するロボットを作ることができます。より多くの機能が単一のソリューションに組み合わせられるにつれて、コンピューティング機能も統合されます。
据え置き型ロボットと移動型ロボット
ロボットは、大きく 2 つのグループに分けることもできます。一方は環境内を移動するロボットで、もう一方は移動しないロボットです。
異なる業界におけるロボットの利用
企業と政府機関はさまざまな方法でロボットを利用しています。よくあるロボットの 5 種類すべては、成果の改善のため、さらに、従業員が最も高価値の重要な作業に集中できるよう、従業員の負担を減らすために導入されています。
産業
製造業界は、長年にわたり最前線でさまざまな種類のロボットを利用して、事業を成功させてきました。AMR、AGV、多関節ロボットや協働ロボットは、プロセスの促進、効率性の向上、安全性の推進を目的に、多くの場合プログラマブル・ロジック・コントローラーと併せて工場や倉庫で導入されています。溶接、組み立て、資材搬送、倉庫の安全確保など、さまざまなアプリケーションに利用されています。
農畜産業
AMR は、作物をより迅速に効率的に収穫するのに役立っており、そのために素晴らしいインテリジェント機能を利用しています。農業ロボットは、成熟度を評価し、邪魔な枝や葉を動かし、作物を傷めることなく正確にかつ丁寧に収穫することができます。
ヘルスケア
ヘルスケア業界では、患者のエクスペリエンスを向上させるためさまざまな種類のロボットが利用されています。AMR は、医薬品の搬送、表面の消毒、移動型テレプレゼンス機能提供に利用されています。また、協働ロボットは、リハビリ中に医療従事者を支援したり、優れた患者ケア提供のため看護師を助けたりするのに利用されています。
物流
ロボットは、物流および運輸会社が商品を迅速に効率的に配送するのを支援します。こうした企業は、荷物の処理、業務の加速化と正確さの向上に役立つ AMR や AGV を倉庫ロボットとして利用しています。また、配送物の最終処理段階や顧客への安全な配達の確保のためにAMR を導入しています。
小売業と接客業
ロボットは、カスタマーまたはゲスト・エクスペリエンスをさまざまな形で向上させるのに利用できます。小売や接客業企業は、在庫管理プロセスの自動化、コンシェルジュや道案内サービスの提供、さまざまな環境の清掃、ゲストの荷物運びやバレーパーキングにロボットを利用しています。
スマートシティー
ロボットは、よりスマートで安全な街を作るのに役立ちます。人型ロボットは道案内や情報サービスを提供できます。AMR は、商品の配送や通常の安全パトロールを行うのに利用されています。ロボットはまた、ビル構築の加速化、現場調査の実施、建築モデル情報の収集にも役立ちます。
ロボティクスにおけるインテルの影響
インテルは、業界を問わず、ロボットによる認識、計画、適切な行動の実現に不可欠な役割を果たしています。
インテルのプロセッサー、FPGA と VPU ソリューションは、多くの種類のロボットに使用され、インテリジェントで自動化された運用に必要とされる重要な計算能力を提供しています。
インテルはまた、エッジサーバーやエッジデバイスからデータセンターまで、ロボットが関わるより大きなテクノロジー・エコシステムの強化にも取り組んでいます。インテル® oneAPI プログラミング・モデルやインテル® ディストリビューションの OpenNESS を使用すれば、ロボットメーカーやソフトウェア会社は、それぞれのソリューションに必要なエッジ・アプリケーションをより簡単に作成し導入できます。
インテル® RealSense™ カメラは、ロボットが周辺の世界を理解するのを可能にする重要なマシンビジョン機能を実現させます。さらにインテルは、OpenVINO™ ツールキットにより、ロボット・ソリューションへ AI 機能をより簡単に導入できるようにして開発者を支援しています。