Arria® V FPGA および SoC FPGA
Arria® V FPGA ファミリーは、高帯域幅を提供し、リモート無線ユニット、10G/40G ラインカード、放送スタジオ機器などのミッドレンジ・アプリケーション向けに最も低い総消費電力を実現します。性能、消費電力、統合のニーズを最適に満たすデュアルコア ARM Cortex-A9 ハード・プロセッサー・システム (HPS) を搭載した SoC 製品を含め、5 タイプのファミリー製品があります。
関連項目 : FPGA 開発ソフトウェア、デザインストア、ダウンロード、コミュニティー、サポート
Arria® V FPGA および SoC FPGA
ファミリー製品
機能 | Arria® V GZ FPGA | Arria® V GT FPGA | Arria® V GX FPGA | Arria® V ST SoC | Arria® V SX SoC |
---|---|---|---|---|---|
ALM 数 (K) | 170 | 190 | 190 | 174 | 174 |
可変精度 DSP | 1,139 | 1,156 | 1,156 | 1,068 | 1,068 |
M20K メモリーブロック数 | 1,700 | - | - | - | - |
M10K メモリーブロック数 | - | 2,414 | 2,414 | 2,282 | 2,282 |
DDR3 メモリー・インターフェイス速度 | 800MHz | 667 MHz | 667 MHz | 667 MHz | 667 MHz |
ハード・メモリー・コントローラー | - | 4 | 4 | 4 | 4 |
トランシーバー・スピード (Gbps) | 12.5 Gbps | 10.3125 | 6.5536 | 10.3125 | 6.5536 |
PCI Express* (PCIe*) Gen3/2/1 のハード化された IP ブロック | 1 | - | - | - | - |
PCIe Gen2/1 のハード化された IP ブロック | - | 2 | 2 | 2 | 2 |
デザイン・セキュリティー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Single Event Upset (SEU) の緩和 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Arria® V のアーキテクチャー
適応性のあるトランシーバー

少数かあるいは最大の 36 個のトランシーバー・チャネルか、Arria® V FPGA は、性能および消費電力の要件を両立させるトランシーバー・ソリューションを提供します。柔軟なクロック、優れたシグナル・インテグリティー (SI)、低消費電力のトランシーバー、豊富なトランシーバー数。これらは、Arria® V FPGA が消費電力重視の高帯域幅アプリケーションに最適であることを示す特長のごく一部に過ぎません。
各 Arria® V FPGA トランシーバー・チャネルは、フィジカル・メディア・アタッチメント、フィジカル・コーディング・サブレイヤー、柔軟なクロックと独立したチャネルが加わったハード化された IP ブロックで構成されています。各チャネルには、フル PMA および PCS に加えて、専用の独立した受信アナログ PLL CDR があります。Arria® V GZ はさまざまな機能を搭載して、最大12.5Gbps のトランシーバー速度、最大 40 インチのバックプレーン作動、PCIe Gen3 の実装を容易に実現します。
*注: Arria® V GX および GT は、アダプティブ LinearEQ、EyeQ、PCIe Gen3、および Arria® V GZ が有する一部のハード化された IP を有していません。
低消費電力と低システムコストに最適化
- 10.3125Gbps 時、チャネルあたりの消費電力は 165mW 未満
- 12.5Gbps 時、チャネルあたりの消費電力は 200mW 未満
機能 | Arria® V GZ デバイス | Arria® V GT | Arria® V GX デバイス |
---|---|---|---|
最大トランシーバー数 | 36 | 36 | 36 |
12.5 Gbps バックプレーン対応トランシーバー | ○ | - | - |
10.3125 Gbps トランシーバー (SFF 8431 準拠) | ○ | ○ | - |
6.375 バックプレーン対応トランシーバー | ○ | ○ | ○ |
連続時間リニア・イコライゼーション (レシーバー 4 段リニア・イコライゼーション) | ○ | - | - |
ディシジョン・フィードバック・イコライゼーション (レシーバー 5 タップ・デジタル・イコライザー) | ○ | - | - |
アダプティブ・イコライゼーション (イコライゼーションを自動的に調整) | ○ | - | - |
リニア・イコライザー | - | ○ | ○ |
送信イコライゼーション (4 タップ・プリエンファシス) | ○ | - | - |
送信イコライゼーション (3 タップ・プリエンファシス) | - | ○ | ○ |
リング・オシレーター 送信 PLL | ○ | ○ | ○ |
LC オシレーター PLL | ○ | - | - |
オンチップ・インストルメンテーション (EyeQ データアイ・モニター) | ○ | - | - |
可変精度 DSP ブロック


より高精度な信号処理の要求に応えて、業界初の可変精度デジタル信号処理 (DSP) ブロックを開発しました。Stratix® V、Arria® V、および Cyclone® V FPGA 28-nm DSP ポートフォリオの一部であるこの統合ブロックにより、コンパイル時に各ブロックを 18 ビットモードまたは高精度モードで構成できます。
可変精度 DSP ブロックを搭載する Arria® V および Cyclone® V FPGA は、1 つの DSP ブロック内で 9 x 9 ビットから単精度浮動小数点 (仮数乗算) までブロック毎にさまざまな精度をサポートします。これにより FPGA アーキテクチャーの制約がなくなり、DSP データパスの各ステージで最適な精度を使用できるようになります。また、システム性能の向上、消費電力の削減、アーキテクチャーに関する制約の軽減といった利点も得られます。
Arria® V および Cyclone® V FPGA の可変精度 DSP ブロックは最適化され、以下の点が強化されます。
- 108 入力、74 出力
- プリアダーで 2 つの 18 ビット入力が使用可能な 18 x 19 乗算モード
- 複雑なシリアル・フィルタリングに適したオプションのセカンド・アキュムレーター (フィードバック・レジスター)
- 2 つの独立した 18 x 19 乗算器
- 18 ビット・モードでのハードプリアダーおよび外部係数の使用に関する制約を解消
単一ブロックモードおよび複数ブロックモードでの Arria® V および Cyclone® V FPGA DSP ブロック
カスケードバス
すべてのモードで 64 ビット・アキュムレーターが利用でき、それぞれの可変精度 DSP ブロックには、専用バスで複数のブロックをカスケード接続することにより高精度信号処理を実装可能にする 64 ビット・カスケード・バスがあります。
この可変精度 DSP アーキテクチャーは下位互換性を維持しているため、高精細ビデオ処理、デジタルアップ / ダウン変換、マルチ・レート・フィルタリングなどの既存の 18 ビット DSP アプリケーションを効率的にサポートできます。
SoC FPGA ハード・プロセッサー・システム
インテル® SoC FPGA は、プロセッサー、ペリフェラル、メモリー・インターフェイスで構成される Arm ベースのハード・プロセッサー・システム (HPS) を、高帯域幅インターコネクター・バックボーンによって FPGA ファブリックと統合した製品です。Arria® V SoC FPGA は、ディスクリート・プロセッサー、FPGA、デジタル信号処理 (DSP) の機能を、チップ (SoC) 上の単一の、ユーザーによるカスタマイズ可能な ARM ベースのシステムに統合することにより、システム性能を向上させながら、消費電力、システムコスト、ボードサイズを削減します。SoC は、性能と低消費電力性に優れた ハード Intellectual Property (IP) と、柔軟性に優れたプログラマブル・ロジックの究極の組み合わせを提供します。

HPS の機能
- 各プロセッサーに以下の機能を搭載:
- 32 KB の L1 命令キャッシュ、32 KB の L1 データキャッシュ
- 単精度および倍精度浮動小数点数ユニットと、NEONTM メディアエンジン
- CoreSight™ デバッグとトレース・テクノロジー
- エラー訂正符号 (ECC) サポートで 512KB の共有 L2 キャッシュ
- ECC をサポートする 64 KB スクラッチ RAM
- DDR2、DDR3、LPDDR2、および ECC (オプション) をサポートしたマルチポート SDRAM コントローラー
- 8 チャネルのダイレクト・メモリー・アクセス (DMA) コントローラー
- QSPI フラッシュ・コントローラー
- DMA 対応 NAND フラッシュ・コントローラー
- DMA 対応 SD / SDIO / MMC コントローラー
- 2 個の DMA 対応 10 / 100 / 1000 イーサネット MAC (メディア・アクセス・コントロール)
- 2 個の DMA 対応 USB On-The-Go (OTG) コントローラー
- 4 個の I2C コントローラー
- 2 個の UART
- 2 個のシリアル・ペリフェラル・インターフェイス (SPI) マスター・ペリフェラル、2 個のスレーブ・ペリフェラル
- 最大 134 個の汎用 I/O (GPIO)
- 7 個の汎用タイマー
- 4 個のウォッチドッグ・タイマー
高帯域幅 HPS–FPGA インターコネクト・バックボーン
HPS と FPGA は独立して動作可能ですが、高性能 ARM AMBA AXI バスブリッジから構築された高帯域幅システム・インターコネクトを介して緊密に連結されています。FPGA ファブリック内の IP バスマスターは、FPGA-HPS インターコネクトを介して HPS バススレーブにアクセスできます。同様に、HPS バスマスターは、HPS-FPGA ブリッジを介して FPGA ファブリック内のバススレーブにアクセスできます。いずれのブリッジも AMBA* AXI-3 準拠であり、同時リード / ライト・トランザクションをサポートしています。追加された 32 ビット軽量 HPS-FPGA ブリッジは、HPS と FPGA ファブリック内のペリフェラルの間に低レイテンシーのインターフェイスを提供します。最大 6 個の FPGA マスターが HPS SDRAM コントローラーをプロセッサーと共有できることに加え、ARM プロセッサーを使用して専用 32 ビット・コンフィグレーション・ポートを介して、プログラム制御下の FPGA ファブリックをコンフィグレーションすることも可能です。
- HPS-FPGA: 高帯域幅に最適化された、コンフィグレーション可能な 32 / 64 / 128 ビット AMBA* AXI インターフェイス
- FPGA-HPS: 高帯域幅に最適化された、コンフィグレーション可能な 32 / 64 / 128 ビット AMBA* AXI インターフェイス
- 軽量 HPS-FPGA: 低レイテンシーに最適化された 32 ビット AMBA* AXI インターフェイス
- FPGA-HPS SDRAM コントローラー: 6 個のコマンドポート、4 個の 64 ビット・リード・データ・ポート、および 4 個の 64 ビットト・ライト・データ・ポートを持つ、コンフィグレーション可能なマルチポート・インターフェイス
- 32 ビット FPGA コンフィグレーション・マネージャー
28 nm の Arria® V FPGA ファミリーは、リモート無線ユニット、10G/40G ラインカード、映像スタジオミキサーなどのミッドレンジ・アプリケーションに必要な、低い消費電力と高い帯域幅を提供します。5 種類からなる包括的なデバイス群は、システムのコスト、性能、消費電力要求を満たすべく最適なソリューションを実現します。Arria® V FPGA および SoC ファミリーの概要とパッケージのオプションについては、下記表をご覧ください。
温度範囲のサポート
関連情報
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サポートリソース
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