インテル® FPGA 向けインテル® Simics® シミュレーター
インテル® FPGA 向けインテル® Simics® シミュレーターは、バーチャル・プラットフォームの定義、開発、導入をサポートするフルシステム・シミュレーターであり、早期の製品開発を可能にし、市場投入までの時間を短縮します。
利点
開発時間を短縮
バーチャル・プラットフォームは、次の方法で制約を減らし、開発時間を短縮します。
- 物理的なハードウェアが利用可能になる前に、早期のソフトウェア開発を可能にします。
- ハードウェアとソフトウェアの統合を早期に開始できます。
- 業界標準のデバッグ環境により、開発を高速化します。
リスクとコストの削減
バーチャル・プラットフォームは、次の方法でリソースのリスクとコストを削減します。
- 製品開発の初期段階において、問題を識別して修正できます。
- 物理的な FPGA 開発ボードが不要になります。
- ソフトウェアとハードウェアの開発を並行して行えます。
- ソフトウェアとハードウェアの独自の相関関係を可視化します。
- 既存の開発ツールを使用します。
コラボレーションを容易に
バーチャル・プラットフォームは、次の方法でコラボレーションを容易にします。
- グローバルなリモートアクセスによる開発環境、リアルタイムのコラボレーション、コードの統合、およびシナリオ共有機能による並行開発が可能です。
- チームメンバーに、リアルタイムで共有やコラボレーションを行える個人的なバーチャル環境を提供して生産性を高めます。
- 使い慣れた開発ツールとランタイム・ソフトウェアを使用できます。
インテル® Simics® シミュレーターのアーキテクチャー
- Simics® シミュレーター・コア: Simics® シミュレーター・コアは、シミュレーション・エンジンを含む Simics® シミュレーターを管理します。Simics® API を通じてシミュレーション・サービスを提供します。
- ターゲットシステム: バーチャル・プラットフォームとも呼ばれ、メモリー、フラッシュデバイス、ポートデバイスなどの、シミュレートされているハードウェア・コンポーネントのモデルです。これは実際のターゲットであるソフトウェアを実行できるような、実際のハードウェア仕様をシミュレートする、バーチャル・プラットフォームのモデルです。
- ターゲット・ソフトウェア: ターゲット・ハードウェア上で実行されるもので、シミュレーションを実行するために必要な要素です。これはシミュレーション時に実行すべきソフトウェアです。
- ユーザー・インターフェイス: ユーザーがシミュレーターと対話するコンポーネントが含まれています。対話はグラフィカル・ユーザー・インターフェイス (GUI) を使用して行うことができ、シミュレーションの実行を制御したり、あらゆるデバッグ活動を実行したりできます。
- シミュレーター・インフラストラクチャー: Python インタプリター、RiscFree IDE、サービスノードなどを含むコンポーネントによって統合されています。シミュレーター・インフラストラクチャーは、Simics シミュレーターがユーザーに利用できるようにしている大規模な機能セットで構成されており、ツールに集約的な価値をもたらしています。
インテル® Agilex™ 5 SoC FPGA E シリーズ向けインテル® Simics® バーチャル・プラットフォーム
上記の画像を参照してください
- HPS: Agilex™ 5 SoC FPGA E シリーズ HPS のモデル。これを統合するすべてのサブシステムも含まれています。
- HPS サブシステム: これはサブシステムのモデルに対応し、E シリーズデバイスの HPS に直接関連するすべてのコンポーネントが含まれています。
- FPGA ファブリック・デザイン: これは FPGA ファブリックに実装されているロジックのモデルに対応しています。単一のコンポーネントとして実装されているのではなく、このモデルに含まれるモジュールのそれぞれが個別にインスタンス化されています。
- qsys_top: これはモデル化されているデザインのビューに対応し、また GHRD の下にあるインテル® プラットフォーム・デザイナーから見たシステム (soc_inst) に対応しています。このコンポーネントの下には、HPS サブシステムや FPGA ファブリック・デザインなどのインスタンス化されたコンポーネントがあります。
- FPGA: FPGA デバイスの視点から、ハードウェア・デザインのトップレベルのビューを表すモデルで、5 E シリーズデバイス向けインテル® Quartus® Prime プロジェクトの GHRD に対応しています。このモデルは qsys_top コンポーネントをインスタンス化します。
- ボード: E シリーズデバイスを含むボードのモデルです。このモデルは、FPGA モデルと、フラッシュデバイス (SD カード、QSPI、NAND)、USB ディスク、イーサネット PHY、コネクターなどのボード・コンポーネントを統合したものです。
- システム: システム全体を表すモデルです。ボード・コンポーネント、およびボード・コンポーネントに含まれないその他あらゆるコンポーネントをインスタンス化したものです。
- ターゲット・スクリプト: バーチャル・プラットフォームには、ターゲット・スクリプトと呼ばれるラッパーが含まれ、この中にシステム・コンポーネントがインスタンス化されています。このスクリプト内で、ユーザーにユーザーによるコンフィグレーションが可能なパラメーターの値が定義されます。また、初回シミュレーションのセットアップやオートメーション・タスクはすべてここで実行されます。
Simics シミュレーターを始める
Simics シミュレーターと Intel Agilex® 5 バーチャル・プラットフォームのダウンロード、インストール、実行。
ドキュメントおよび関連情報
よくある質問 (FAQ)
よくある質問
インテル® FPGA 向けインテル® Simics® シミュレーターは、バーチャル・プラットフォームの定義、開発、導入をサポートするフルシステム・シミュレーターです。高速、正確、スケーラブル、かつ拡張可能。
シミュレーターは、高速かつ制御可能な方法で、ターゲット・バイナリーを変更しないまま実行するため、初期段階のソフトウェア開発やプレシリコンおよびポストシリコン、さらには利用可能となった後に至るまで、理想的な環境を提供します。
バーチャル・プラットフォームは、最初期の製品アーキテクチャーから設計や評価、ファームウェアの開発、OS の立ち上げ、そして最期に顧客システムの実際のモデリングおよびフルシステム統合に至るまで、製品ライフサイクル全体を通して使用できます。
Simics® シミュレーターにより、新しいシリコンが到着するまでにソフトウェアを利用でき、製品の市場投入までの時間を短縮できます。
インテル® FPGA 向けインテル® Simics® シミュレーターは、産業界と学術界の両方において長い歴史があります。1990年代初期に、Swedish Institute of Computer Science (SICS*) で将来的なマルチプロセッサー・アーキテクチャーのための研究の一環として作成され、当初はフルシステム・シミュレーターと呼ばれていました。SICS は現在、RISE* (Research Institute of Sweden) の一部となっています。