インテル® Cyclone® 10 LP FPGA デバイス用 Early Power Estimator ユーザーガイド

ID 683743
日付 5/08/2017
Public
ドキュメント目次

3.1.1. Input Parameters

必要なパラメーターは、ジャンクション温度を手動で入力するか、自動計算されるかによって異なります。
表 5.  Input Parameter セクションの情報
入力パラメーター 説明
Family デバイスファミリーを選択します。
Device

デバイスを選択します。

より大きいデバイスでは、スタティック消費電力とクロックのダイナミック消費電力が増加します。それ以外のすべてのコンポーネントは、使用するデバイスの影響を受けません。

Package

使用するパッケージを選択します。

より大きいパッケージでは、冷却面がより大きくなり、回路基板との接触点が増加するため、熱抵抗が減少します。パッケージの選択は、ダイナミック消費電力に影響しません。

Temperature Grade

適切な温度グレードを選択します。このフィールドは、許容されるより大きいジャンクション温度の範囲に影響します。このフィールドは、一部のデバイスファミリーのコア電圧を決定するためにも使用できます。

サポートされる温度グレードは、デバイスファミリーごとに異なります。サポートされる温度グレード、デバイスのジャンクション温度の推奨される動作範囲について詳しくは、各デバイスファミリーのデータシートを参照してください。

Power Characteristic

標準的または理論上のワースト・ケース・シリコン・プロセスを選択します。

ダイ間で、プロセスのばらつきがあります。主にスタティック消費電力に影響を及ぼします。Typical電力特性を選択すると、平均デバイス測定値と一致する結果を提供します。

Maximum電力特性を選択すると、ワースト・ケース・デバイス測定値と一致する結果を提供します。スタティック消費電力に影響するワーストケースの変動処理において電源供給の設計が十分であるよう、インテルは、電力見積りでMaximum電力特性の使用を推奨しています。Enpirion デバイス選択を有効にするには、Power Characteristics をMaximumに設定する必要があります。。

VCCINT Voltage (V)

Cyclone 10 LP デバイスでは、次の VCCINT 電圧を選択します。

  • スピードグレード I8 のデバイスでは、VCCINT1.0Vに設定します。
  • スピードグレード C6、C7、C8、I7、および A7 のデバイスでは、VCCINT を1.2Vに設定します。
Power Model Status デバイスのパワーモデルが、予備または最終バージョンかどうかを示し、EPE 14.0 以降でのみ使用可能です。
Junction Temp, TJ (°C)

デバイスのジャンクション温度を入力します。このフィールドは、User Entered T オプションがオンの場合のみ使用可能です。この場合、ジャンクション温度は提供される熱情報に基づく計算を行いません。

Enpirion 電源デバイス選択では、 インテル® は、Junction Temp, T(°C)を選択した熱グレードでより高い値に設定することを推奨しています。

Ambient Temp, TA (°C)

デバイス付近の大気温度を入力します。この値の範囲は、–40°C~125°Cです。このフィールドは、Auto Computed T オプションがオンの場合のみ使用可能です。

Estimated Theta J オプションをオンにすると、このフィールドは、消費電力やトップサイドの冷却ソリューション ( ヒートシンクまたはなし )、およびボード ( 該当する場合 ) を介した熱抵抗に基づいて、ジャンクション温度の計算に使用されます。

Custom Theta J オプションをオンにすると、このフィールドは、消費電力と入力したカスタム θJAに基づいてジャンクション温度の計算に使用されます。

Heat Sink

使用するヒートシンクを選択します。次のいずれかを選択できます。

  • ヒートシンク未使用 (None)
  • カスタム・ソリューション (Custom)
  • パラメーター設定でのヒートシンク (15 mm–Low Profile23 mm–Medium Profile、または28 mm–High Profile) です。このフィールドは、Auto Computed T およびEstimated Theta J オプションがオンの場合のみ使用可能です。

Noneを選択すると、ヒートシンク選択は カスタム θSA値を更新し、Custom θSA (°C/W) パラメーターで値を確認することができます。Customを選択すると、Custom θSA (°C/W) パラメーターで入力した値になります。

ヒートシンクの代表例が表示されます。ヒートシンクが大きいほど熱抵抗が減少し、より低いジャンクション温度になります。ヒートシンクを把握している場合は、ヒートシンクのデータシートを参照し、システムのエアフローに応じてカスタム θSA値を入力してください。

Airflow

エアフローを選択します。得られる周囲のエアフローを lfm ( リニアフィート / 分 ) または m/s( メートル / 秒 ) 単位で選択します。値は、100 lfm (0.5 m/s)200 lfm (1.0 m/s)400 lfm (2.0 m/s)、またはStill Airです。このフィールドは、Auto Computed T Estimated Theta J オプションがオンの場合のみ使用可能です。

エアフローが増加すると、ケースから大気までの熱抵抗が減少するため、ジャンクション温度は低下します。

Custom θJA (°C/W)

デバイスと周囲間のジャンクション温度から周囲までの熱抵抗を単位 °C/W で入力します。このフィールドは次のオプションがオンの場合に使用可能です。

  • Auto Computed T
  • Estimated Theta J
  • ヒートシンクのパラメーターをCustomに設定

デバイスの上部を通してジャンクションから周囲までの全抵抗を計算するため、Custom θSAパラメーターは、ケースからヒートシンクまでの代表的な抵抗と、 インテル® が提供するジャンクションからケースまでの熱抵抗の組み合わせます。

Board Thermal Model

熱解析で使用するボードタイプを選択します。値は、None (Conservative)またはJEDEC (2s2p) です。このフィールドは、Auto Computed T Estimated Theta J オプションがオンの場合のみ使用可能です。

None (Conservative) を選択すると、熱モデルはボードから放熱がないものと見なし、その結果、ジャンクション温度は悲観的に計算されます。このオプションはHeat Sink オプションがNoneに設定されている場合のみ使用可能です。

JEDEC (2s2p)を選択すると、熱モデルは JESDEC51–9 規格で指定された JEDEC 2s2p テストボードの特性を想定します。

最終ジャンクション温度を決定するため、 インテル® はシステムの詳しい熱シミュレーションの実行を推奨しています。この2つの熱抵抗モデルは、初期見積りでのみ使用します。