インテル® Cyclone® 10 LP FPGA デバイス用 Early Power Estimator ユーザーガイド

ID 683743
日付 5/08/2017
Public
ドキュメント目次

4.1. トグルレート

Early Power Estimator のスプレッドシートで入力されたトグルレートは、表示されるダイナミック消費電力に大きな影響を与えます。現実的なトグルレートを入力し、正確な見積りを得る必要があります。現実的なトグルレートの特定には、FPGA が受けている入力の種類とそのトグルの頻度を把握する必要があります。

デザインが完了していない場合に正確な見積りを得るには、デザインの個々のモジュールを機能別に区分けし、リソースのトグルレートと併せてリソース使用率の見積りを算出します。この見積りは、以前のデザインを使用し、同様の機能でのモジュールのトグルレートを見積ることで容易にできます。

次の図で示す入力データは、データ・トランスミッション用にエンコードされており、トグルレートは約 50% を有します。

図 23. デコーダおよびエンコーダのブロック図
この図の場合、次の見積りを行う必要があります。
  • データ・トグルレート
  • Mod 入力のトグルレート
  • ディコーダー、RAM、フィルター、およびエンコーダー・モジュールのリソース見積り
  • ディコーダー、RAM、フィルター、モジュレーター、およびエンコーダー・モジュールのトグルレート

これらの見積りは、多数の方法で行うことができます。過去に同様のモジュールでほぼ同じトグルレートのデータを入力したことがある場合は、その情報を使用することができます。一部のブロックで MATLAB シミュレーションが使用可能な場合は、シミュレーションからトグルレート情報が取得できます。一部のモジュールで HDL が使用可能な場合は、HDL をシミュレーションし、トグルレートが取得できます。

HDL が完了している場合は、デザインをシミュレーションしてトグルレートを特定するのが最適です。トグルレートの見積りの精度は、入力ベクターの正確さにより異なります。したがって、シミュレーション・カバレッジが高いかどうかを判断することで、トグルレートの情報がどのぐらい正確かを評価することができます。

Quartus® Primeソフトウェアでは、シミュレーション・ツールからの情報を提供することで、デザインで使用する各リソースのトグルレートを特定することができます。デザインは、Signal Activity File(.saf) から、さまざまなツールや Quartus® Primeソフトウェアに提供される情報でシミュレーションが可能です。 Quartus® Prime Power Analyzer では、より高精度の消費電力の見積りを提供します。デザインが完了後、電力見積りのために Quartus® PrimeソフトウェアからEPE スプレッドシートにコンマ区切り値ファイル (.csv) をインポートできます。