4.4. Cyclone® 10 GX デバイス用 EPE - RAM ワークシート
EPE スプレッドシートの RAM ワークシートの各行は、1つまたは複数の物理 RAM ブロックを使用して実装できる論理 RAM モジュールを表しています。EPE スプレッドシートは、入力された論理幅と深さに基づいて、可能な限り電力効率に優れた方法で、最少の物理 RAMブロック数で各論理 RAM モジュールを実装します。
RAM ブロックモードを選択する際は、Quartus® Prime Compiler での RAM の実装方法を把握していなければなりません。例えば、ROM がポート2つで実装されている場合、ROMではなく、トゥルー・デュアルポート・メモリーと見なされます。シングルポートと ROM の実装では、1つのポートのみを使用します。シンプル・デュアルポートとトゥルー・デュアルポートの実装では、ポート A とポート B の両方を使用します。
- Early Power Estimator は、RAM ワークシートに MLAB 消費電力を通知します。しかしながら、Power Analyzer は Power Report のThermal Power Dissipation by Block Typeセクションで、MLAB 電力を Combinational セルと Register セル・ブロック・タイプとして通知します。
- Power Analyzer は、Power Report のThermal Power Dissipation by Block TypeセクションのClock Networkブロックタイプ内に、Block Thermal Dynamic Powerとして LAB クロック電力を通知します。Early Power Estimator は、LAB がロジック実装に使用されるのか、MLAB として使用されるのかに応じて、LAB クロック電力を Clock または RAM ワークシートのいずれかに通知します。

カラムヘッダー | 説明 |
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Module | RAM モジュール名を入力します ( オプション値 )。 |
RAM Type | 実装される RAM タイプを選択します。 RAM タイプは、Quartus Prime Compilation Report のType列で確認することができます。Compilation Report でFitterを選択し、Resource Sectionをクリックします。Fitter RAM Summaryをクリックします。 |
# RAM Blocks | 同じタイプとモードを使用し、各ポートで同じパラメーターを有するモジュールの RAM ブロック数を入力します。各ポートのパラメーターは、次の通りです。
RAM ブロック数は、Quartus Prime Compilation Report のMLAB cellsまたはM20K blocks列のいずれかで確認できます。Compilation Report でFitterを選択し、Resource Sectionをクリックします。Fitter RAM Summaryをクリックします。 |
Data Width | RAM ブロックのデータ幅を入力します。この値は、RAM タイプに基づいて制限されています。RAM ブロックの幅は、Quartus Prime Compilation Report のPort A WidthまたはPort B Width列で確認できます。Compilation Report でFitterを選択し、Resource Sectionをクリックします。Fitter RAM Summaryをクリックします。 ポート A とポート B でデータ幅が異なる RAM ブロックでは、大きい方のデータ幅を使用します。 |
RAM Depth | RAM ブロックの深さを単語数で入力します。 RAM ブロックの深さは、Quartus Prime Compilation Report のPort A DepthまたはPort B Depth列で確認できます。Compilation Report でFitterを選択し、Resource Sectionをクリックします。Fitter RAM Summaryをクリックします。 |
RAM Mode | 以下のモードから選択します。
モードは、Quartus Prime Compiler での RAM の実装方法に基づきます。メモリーモジュールの実装方法が不明な場合、インテルでは Quartus Prime ソフトウェアでの必要なコンフィグレーションを使用したテストケースのコンパイルを推奨しています。RAM モードは、Quartus Prime Compilation Report のMode列で確認できます。Compilation Report でFitterを選択し、Resource Sectionをクリックします。Fitter RAM Summaryをクリックします。 シングルポート RAM は、1つのポートにリードとライトの制御信号を有します。シンプル・デュアルポート RAM は、リードとライトのポートを1つずつ有します。トゥルー・デュアルポート RAM はポートを2つ有し、それぞれにリードとライトの制御信号があります。ROM は、リード専用のシングルポート RAM です。 |
Port A - Clock Freq (MHz) | RAM ブロックのポート A のクロック周波数を単位 MHz で入力します。この値は、RAM タイプとデバイスファミリーのより大きい周波数仕様により制限されます。 |
Port A - Enable % | RAM データおよびアドレス入力の動作に関係なく、ポートA のクロックイネーブルがアクティブな時間の平均割合を入力します。この割合は 0~100% でなければなりません。RAM 電力は、主にクロックイベントの発生時に消費されます。リードまたはライト動作が起こらない場合、クロックイネーブル信号を使用してポートをディスエーブルすると、消費電力を大幅に節約できます。 |
Port A - Read % | RAM ブロックのポート A がリードモード時の時間の割合を入力します。このフィールドは、シングルポートとトゥルー・デュアルポート RAM にのみ適用されます。 この割合は 0~100% でなければなりません。 |
Port A - Write % | RAM ブロックのポート A がライトモード時の時間の平均割合を入力します。このフィールドは、シングルポート、デュアルポート、およびトゥルー・デュアルポート RAM にのみ適用されます。 この値は 0~100% でなければなりません。 |
Port B - Clock Freq (MHz) | RAM ブロックのポート B のクロック周波数を単位 MHz で入力します。 |
Port B - Enable % | RAM データおよびアドレス入力の動作に関係なく、ポート B の入力クロックイネーブルがアクティブな時間の平均割合を入力します。イネーブルの割合は 0~100 です。 RAM の電力は、主にクロックイベントの発生時に消費されます。 リードまたはライト動作が発生しない場合、クロックイネーブル信号を使用してポートをディスエーブルすると、消費電力を大幅に節約できます。 |
Port B - Read % | RAM ブロックのポート B がリードモード時の時間の割合を入力します。このフィールドは、デュアルポート、トゥルー・デュアルポート RAM および ROM にのみ適用されます。 この値は 0~100% でなければなりません。 |
Port B - Write % | RAM ブロックのポート B がライトモード時の時間の割合を入力します。このフィールドは、トゥルー・デュアルポート・モードでのみ使用できます。 この値は 0~100% でなければなりません。 |
Toggle % | ブロック出力信号が値を変える際のクロックサイクルの割合です。この値は、クロック周波数とイネーブルの割合で乗算され、1秒あたりの遷移数が算出されます。この値は配線消費電力にのみ影響を及ぼします。 50% はランダムに変化する信号に相当し、信号の半分は同じ値を保持するため、変化しません。RAM ブロックの重要性の高いトグルレートと見なされます。 |
Thermal Power (W) - Routing | 配線見積りによる消費電力を単位 W で示します。 配線消費電力は、配置配線によって異なり、デザインの複雑さに関係します。ここに示された値は、100 以上の実際のデザインでの観測に基づいた配線消費電力を表しています。 デザインで使用される正確な配線に基づくより正確な解析には、Quartus Prime Power Analyzer を使用します。 |
Thermal Power (W) - Block | RAM の内部トグルに起因する消費電力を単位 W で示します。 デザインの正しい RAM モードに基づくより正確な解析は、Quartus Prime Power Analyzer を使用します。 |
Thermal Power (W) - Total | EPE スプレッドシートに入力された情報に基づいて消費電力を見積り、単位 W で示します。総消費電力は、配線消費電力とブロック消費電力の合計と同じです。 |
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