インテル® Cyclone® 10 GX FPGA デバイス用 Early Power Estimator ユーザーガイド

ID 683150
日付 5/08/2017
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ドキュメント目次

5.1. トグルレート

Cyclone® 10 GXデバイス用 Early Power Estimator のスプレッドシートで入力されたトグルレートは、表示されるダイナミック消費電力に大きな影響を与えます。現実的なトグルレートを入力し、正確な見積りを得る必要があります。現実的なトグルレートの決定には、FPGA がどの入力を受けているのか、どのくらいトグルするのかを把握する必要があります。

デザインが完了していない場合に正確な見積りを得るには、デザインの個々のモジュールを機能別に区分けし、リソースのトグルレートと併せてリソース使用率の見積りを算出します。この見積りは、以前のデザインを使用し、同様の機能でのモジュールのトグルレートを見積ることで容易にできます。

次の図で示す入力データは、データ・トランスミッション用にエンコードされており、トグルレートは約 50% を有します。

図 24. デコーダーおよびエンコーダーのブロック図
この図の場合、次の見積りを行う必要があります。
  • データ・トグルレート
  • Mod 入力のトグルレート
  • ディコーダー、RAM、フィルター、およびエンコーダー・モジュールのリソース見積り
  • ディコーダー、RAM、フィルター、モジュレーター、およびエンコーダー・モジュールのトグルレート

これらの見積りは、多数の方法で行うことができます。過去に同様のモジュールでほぼ同じトグルレートのデータを入力したことがある場合は、その情報を使用することができます。一部のブロックで MATLAB シミュレーションが使用可能な場合は、シミュレーションからトグルレート情報が取得できます。一部のモジュールで HDL が使用可能な場合は、HDL をシミュレーションし、トグルレートが取得できます。

HDL が完了している場合は、デザインをシミュレーションしてトグルレートを決定するのが最適です。トグルレートの見積りの精度は、入力ベクターの正確さにより異なります。したがって、シミュレーション・カバレッジが高いかどうかを判断することで、トグルレートの情報がどのぐらい正確かを評価することができます。

Quartus® Prime ソフトウェアでは、シミュレーション・ツールからの情報を提供することで、デザインで使用する各リソースのトグルレートを決定することができます。デザインは、Signal Activity File (.saf) または Value Change Dump File (.vcd) から、さまざまなツールや Quartus Prime ソフトウェアに提供される情報でシミュレーションが可能です。Quartus Prime Power Analyzer では、高精度の消費電力の見積りを提供します。