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5.1.6.2. グランドバウンスの解析
図 69 で示している簡単なモデルを使用して、グランドバウンスを解析します。デバイスによって駆動される外部コンポーネントは、そのデバイスに対する容量性負荷として表示されています (C1からCn)。この容量性負荷によって蓄積する電荷は、次の式で求められます。
つまり、電圧または負荷容量が増加すると、電荷が増加します。
デバイスの環境とグランドパスには、固有のインダクタンスがあります (図 69 でL1、L2、およびL3として表示されています)。L1は、デバイスのダイからパッケージピンまでのボンドワイヤーのインダクタンスであり、ピン自体のインダクタンスです。L2は、デバイスのグランドピンとPCB間の接続機構のインダクタンスです。このインダクタンスが最大になるのは、デバイスがソケットを介してPCBに接続されている場合です。L3は、デバイスとPCBの位置 (電源のリファレンス・グランドが接続されている場所) との間のPCBトレースのインダクタンスです。
グランドバウンスが発生するのは、複数の出力がHighからLowに切り替わるときです。この遷移により、負荷容量に蓄積された電荷がデバイスに流れ込みます。急激な突入電流 (di/dt) は、デバイスを出てインダクタンス (L) を介し、ボードグランドに到達します。この時生成される電圧 (V) は、V = L x (di/dt) の式で求められます。このボードグランドとデバイスグランド間の電圧差により、低出力または静音出力の相対的なグランドレベルが一時的に上昇またはバウンスします。突入電流は短時間ですが、バウンスは十分に大きく、PCB上の他のデバイスをトリガーする可能性があります。
同期デザインでは、グランドバウンスが問題になることはあまりありません。これは、同期出力には、次のクロックエッジまでに安定するのに十分な時間があるためです。また、同期回路は、静音出力の電圧スパイクによって誤ってトリガーされる可能性は、それほど高くありません。
- 電荷 (Q) = [電圧 (V) x キャパシタンス (C)]