インテルのみ表示可能 — GUID: wvf1628558400229
Ixiasoft
5.1.5.6.1. インダクタンスの不連続性
図 53 で示しているTDR電圧プロットは、異なる2つのSMAコネクターに対するものです。片方のSMAコネクターは50Ω で、もう一方は58Ω です。この領域でのインダクタンスの増加により、曲線は上昇しています。
図 53 の2つのプロットが表している異なる2つの不連続性は、SMAコネクターに起因します。ピークが高い方の曲線によって表わされるコネクターは、インダクタンスの不連続性が約3.8nHと高くなっています。ピークが低い方の曲線によって表わされるコネクターは、インダクタンスの不連続性が約2.6nHと低くなっています。この両方の曲線の不連続性のインダクタンスは、このグラフから計算できます。
図 53 で示している3.125Gbpsの信号は、2つのSMAコネクターを介して送信されています。信号の立ち上がり時間は約70psです。
図 54 で示しているアイ開口部のプロットは、信号が低インダクタンス (2.6nHの不連続) のSMAコネクターを通過するときのものです。アイ開口部は336mVで、ジッターは20psです。
アイの拡大図 (図 54) では、より正確にジッターの読み取りができます。ピークツーピークのジッター値は約20psです。
図 55 で示しているアイ開口部のプロットは、同じ信号のものです。ただしここでは、高インダクタンスのSMAコネクターのため、信号は3.8nHのインダクタンスの不連続性を通過しています。アイ開口部は約332mVです。プロットを比較すると、図 55 のプロットの方が、図 54 よりもジッターが多く見られます。
アイの拡大図 (図 55) では、より正確にジッターの読み取りができます。ピークツーピークのジッター値は約24psです。
誤ったタイプのコネクターを使用したり、他の形の誘導性不連続点が伝送経路に加わったりすると、ジッターが増加し、アイ開口部が小さくなります。ジッター動作の増加は、立ち上がり時間が速い信号では重大な問題になります。また、信号にストレスが多くかかると (ランダム性)、ジッターはより顕著になります。