AN 958: ボード・デザイン・ガイドライン

ID 683073
日付 1/28/2022
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ドキュメント目次

5.1.5.6.2. キャパシタンスの不連続性

このセクションでは、キャパシタンスの不連続性の影響について説明します。これは通常、コンポーネントが伝送経路に導入されたときに発生します。

図 56 の2つのコネクターのプロットでは、容量性負荷を示します。1つは低キャパシタンスの不連続性として、もう1つは高キャパシタンスの不連続性として作用します。負荷のキャパシタンス (C) の計算には、次の式を使用します。

3.125Gbps信号(疑似ランダム・バイナリー・シーケンス (PRBS) パターン) は、低容量性コネクター (1.2pF) に似た最初のコネクターを介して送信されます。アイ開口部とジッターは、他方の端で観察します。

図 56. 低容量性および高容量性負荷コネクターによって示されるキャパシタンスの不連続性の影響

図 57 で示しているアイ開口部では、コネクターによって1.2pFの不連続性が誘発されています。アイ開口部は330mVの差動です。アイの拡大図から、ピークツーピークのジッターが約27psであることがわかります。

図 57. 低キャパシタンス・コネクターのアイ開口部とアイ開口部の拡大図

図 57 で示している3.125Gbps PRBSパターンは、高容量性コネクターに似た2番目のコネクターを介して送信されます。アイ開口部とジッターは、他方の端で観察します。

図 58 で示している同じ信号のアイ開口部は、容量が2.9pFのSMAコネクターを通過しています。アイ開口部は約280mVの差動です。アイの拡大図から、ピークツーピークのジッターが約43psであることがわかります。

図 58. 高容量性コネクターのアイ開口部とアイ開口部の拡大図
コネクターやコンポーネントを伝送経路に追加することは可能な限り避けてください。コネクターが必要な場合は、コネクターを選択する際に、伝送経路でのインダクタンスおよびキャパシタンスの不連続性が最小になるものにしてください。ジッターと振幅による3.125Gbps信号への影響は、2.9pFおよび1.2pFのコンデンサーを通過するときに非常に大きくなります。アイ開口部では50mVの振幅差を示し、拡大図では16psのピークツーピークのジッター差を示しています。
  • ρ = RC = (Z0C/2)