AN 958: ボード・デザイン・ガイドライン

ID 683073
日付 1/28/2022
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ドキュメント目次

5.1.5.6.4. 伝送経路に関連する直角ベンド

伝送線路のインピーダンスの不連続性を最小限に抑えるために、直角ベンドの使用は避けてください。ベンドでは、有効伝送線路幅が増加し、それにより、インピーダンスの不連続性が生じて、キャパシタンスが増加します。

90° ベンドではなく、45° マイターベンドを使用します。45° マイターベンドは、信号の反射を低減するために、インピーダンスの不連続性を最小限に抑えます。直角ベンドもアンテナと見なすことができます。図 64 で示している60ミルの伝送線路は、FR-4誘電体 (εr= 4.1、損失正接 = 0.022) に浸漬し、インピーダンスは50Ω です。 90° および45° のベンド (図 65 参照) のトレースのシミュレーションには、SPICEモデルを使用します。寄生の抽出には、3Dフィールドソルバーを使います。

図 64. 伝送線路の90° ベンド
図 65. 伝送線路の45° ベンド

図 66 で示しているのはボードの断面図です。

図 66. ボードの断面図

1Ns (立ち上がり時間) の信号をトレースの片側に供給し、出力をもう一方の端で観察します。余分な容量性負荷のために、90° ベンドの出力には若干の遅延とより多くのリンギングがあります。長いトレースやその他のストレスの多い条件で駆動する場合、わずかなリンギングでも破壊的です。例えば、ほぼ閉じているアイをさらに閉ジじると、レシーバーが、データの一部のビットを認識できなくなる可能性があります。90° ベンドは、3.125Gbpsで動作する信号にさらに深刻な影響を及ぼします。図 67 では、信号に対するベンドの影響を示しています。

図 67. 信号に対するベンドの影響