AN 958: ボード・デザイン・ガイドライン

ID 683073
日付 1/28/2022
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ドキュメント目次

1.4. プレーン・キャパシタンス

高周波の場合、ディスクリート・コンデンサーを使用したデカップリングは、あまり効果的ではありません。高周波数でのノイズをデカップリングするには、パワー・プレーン・キャパシタンスを使用します。プレーン・キャパシタンスの概念を理解するには、図 1 のような従来型のパラレル・プレーン・コンデンサーを調べると良いでしょう。

図 1. 並行プレーン・キャパシタンス

電界が発生するのは、グランドプレーンの隣に電源プレーンがある場合です。図 1 の上部のエリアは、パワーアイランドまたはプレーンを示し、下部のエリアはグランドプレーンを示しています。また、矢印は電界線を表します。この電界によってキャパシタンスが発生します。その大きさは、次の式で示されます。

C=(εοεrA)/h

ただし

  • εο = 自由空間の誘電率
  • εr = 使用する誘電体の比誘電率
  • A = オーバーラップ領域
  • H = プレーンの分離

グランドプレーンがパワーアイランドの両側にある場合は、各側のキャパシタンスを計算し、それを加算して総キャパシタンスを求める必要があります。

プレーン・キャパシタンスは、高周波でのデカップリングの主要な方法です。そのため、高速デザインの不可欠な部分です。高周波では、ディスクリート・コンデンサーはあまり効果的ではありません。

次の例を考えてみましょう。

例: FR-4誘電体 (εr = 4.5) の1平方インチの面積がオーバーラップし、4ミルの分離に対するパラレル・プレーン・キャパシタンスを調べます。

解:

上記の例の数値を前に示したキャパシタンスの式に適用すると、C = 253pFになります。よって、一般的なFR-4ボードで、分離が4ミルの場合、面積のオーバーラップは1平方インチあたり約253pFです。この値は、分離には非線形に変化し、面積には線形に変化します。