AN 958: ボード・デザイン・ガイドライン

ID 683073
日付 1/28/2022
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ドキュメント目次

5.1. ボードのデザインプロセスの概要

一般的な高速ボードデザインは、製品要件ドキュメント、コンセプトレビュー、および機能仕様書から始まります。仕様が確定したら、実際のシステムデザインは、主要コンポーネントの選定から始めます。この時点で、すべてのインターフェイスのタイミング解析と電力解析を実行して、電力要件を決定します。電力解析に基づいて、電源モジュールとレギュレーターを選択します。また、デカップリング方式を指定します。タイミング解析に基づいて、バスの長さ合わせの基準を規定します。こうした作業が完了し、システムデザインと残りのコンポーネントの選択も完了したら、回路図を作成します。通常、回路図は、エンジニアが確認し、必要な変更を加えてから、レイアウト設計者に渡されます。レイアウト・ガイドラインのドキュメントを作成して、ボード上のコンポーネント配置とトレース配線の方法を定め、それをレイアウト設計者に渡します。

レイアウト前のシミュレーションを実行して、理想的なスタックアップ、トレース幅、間隔、およびその他の配線要件を決定します。回路図への変更は、シミュレーション結果に基づいて行い、回路図に組み込み、レイアウト設計者に提供します。レイアウトが完了したら、レイアウト後のシミュレーションをボードのクリティカル・セクションで実行し、シグナル・インテグリティーに大きな問題がないことを確認します。

レイアウト後のシミュレーション結果に基づいて、必要な変更をレイアウトに組み込みます。最後に、レイアウトを製造工場にリリースし、ボードが製造されます。図 13 では、一般的なボードデザインのプロセスを示しています。

図 13. 一般的な高速ボードのデザインプロセスの略図