インテル® Quartus® Primeプロ・エディション ユーザーガイド: PCBデザインツール

ID 683768
日付 11/04/2020
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ドキュメント目次

1.5.3.1. ダブルカウント問題の定義

ダブルカウント問題は、 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアによる出力タイミングの解析方法とHSPICEモデルが使用する方法が異なるために発生します。 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアのタイミング・アナライザー・ツールは、FPGAデザインのコアロジックから出力バッファーを介して、デフォルトの容量性負荷または選択したI/O規格の指定値のFPGAピンに至るまでの出力信号の遅延タイミングを測定します。この測定が、tCOタイミング変数です。
図 10. ダブルカウント問題

ボード・シミュレーションのHSPICEモデルは、出力バッファーの任意のリファレンス・ポイントからデバイスピンを介して信号のデスティネーションまでのtPD (伝播遅延) を測定します。

これらの2つの遅延を合計すると、出力バッファーとデバイスピン間の遅延が2回計算されることになります。このダブルカウント問題を考慮しないモデルやシミュレーションにおいては、2重にカウントされた遅延が計算上はI/Oのパフォーマンスを制限するため、過度に悲観的なシミュレーション結果となります。
この問題を解決する1つの方法は、ダブルカウントを考慮して、tCOとtPD間の重複を減算することです。ただし、この方法では各測定は異なる負荷が考慮されるため、調整は正確ではありません。
注: 入力のHSPICEモデルは入力バッファーではなくFPGAピンで停止するため、入力信号にはこの問題は発生しません。この場合、遅延を加算することで、遅延タイミングの正確な測定値が得られます。