Agilex™ 7汎用I/Oユーザーガイド: FシリーズおよびIシリーズ

ID 683780
日付 10/07/2024
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ドキュメント目次

6.1.7.2. 遅延要素

Quartus® Prime開発ソフトウェアでは、I/Oタイミング解析におけるスラックを最大にする遅延要素の自動設定は行われません。タイミングを収束させる、またはスラックを最大にするには、遅延要素を Quartus® Prime設定ファイル (.qsf) で手動で設定する必要があります。
表 52.  遅延要素の.qsf 割り当て遅延要素にアクセスするには、次の割り当てを .qsf で指定します。
遅延要素 .qsf 割り当て
入力遅延要素 set_instance_assignment –to <PIN> -name INPUT_DELAY_CHAIN <0..63>
出力遅延要素 set_instance_assignment –to <PIN> -name OUTPUT_DELAY_CHAIN <0..15>
出力イネーブル遅延要素 set_instance_assignment –to <PIN> -name OE_DELAY_CHAIN <0..15>
Agilex™ 7 FPGAs and SoCs Device Data Sheet: F-Series and I-Series では、FastモデルとSlowモデルにおける遅延チェーン仕様とオフセット設定に関する情報を提供しています。
  • Fastモデル - 最大遅延チェーンオフセットの設定を選択し、最速のプロセスを使用する場合の遅延値を指定します。
  • Slowモデル - 最大遅延チェーンオフセットの設定を選択し、特定のスピードグレード内で最も低速のプロセスを使用する場合の遅延値を指定します。

例えば、スピードグレードが -1の Agilex™ 7 FシリーズまたはIシリーズデバイスを使用して、入力遅延チェーン設定を#10に割り当てる場合は、次のようになります。

  • 最小遅延値 = 10 * Fastモデルの遅延仕様 / 63 = x ns
  • 最大遅延値 = 10 * -1V Slowモデルの遅延仕様 / 63 = y ns

デザインで -1のデバイス・スピードグレードを選択している場合、入力遅延の範囲は x nsから y nsになります。

注: IOE遅延チェーンは、プロセス、電圧、温度 (PVT) の補償がされていないため、遅延チェーンの値はPVTによって変化します。