MAX 10の汎用I/Oのユーザーガイド

ID 683751
日付 2/21/2017
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ドキュメント目次

2.3.2.6. プログラマブルIOE遅延

プログラマブルIOE遅延をアクティブにすることにより、ホールド時間をゼロにし、セットアップ時間を最小にし、クロック - 出力時間を加増し、またはクロック入力信号を遅延することができます。この機能はバス内の信号間の不確実性を最小限に抑えるため、読み出しおよび書込みのタイミング・マージンを改善します。

各ピンは、ピンから入力レジスタへの異なる入力遅延、あるいは出力レジスタから出力ピンへの遅延値を有することができ、これによりデバイスに入る、またはデバイスを出るバス内の信号が同じ遅延を有することを保障します。

表 9.  プログラマブル遅延チェイン
プログラマブル遅延 Quartus® Primeロジック・オプション
入力ピンからロジック・アレイへの遅延 Input Delay from Pin to Internal Cells
入力ピンから入力レジスタへの遅延 Input Delay from Pin to Input Register
出力ピンの遅延 Delay from Output Register to Output Pin
兼用クロック入力ピンの遅延 Input Delay from Dual-Purpose Clock Pin to Fan-Out Destinations

IOEでは入力がロジック・アレイに到達するためのパスが2本あります。2本のパスそれぞれが異なる遅延を有すことができます。これにより、ピンからデバイス内の異なる2つのエリアにある内部ロジック・エレメント(LE)レジスタまでの遅延が調整可能になります。 Quartus® Primeソフトウェアで各パス向けにInput Delay from Pin to Internal Cellsロジック・オプションを指定して2つの入力遅延の組み合わせを設定する必要があります。ピンで入力レジスタを使用する場合は、遅延のうち1つが無視され、遅延は Quartus® PrimeソフトウェアでInput Delay from Pin to Input Registerロジック・オプションにセットされます。

各I/OバンクのIOEレジスタは、機能のプリセットまたはクリア向けに同じソースを共有します。個別のIOEそれぞれにプリセットまたはクリアをプログラミングできますが、両方の機能を同時に使用することはできません。コンフィギュレーションの完了後に、レジスタをパワーアップHighまたはLowにプログラミングすることもできます。パワーアップLowにプログラミングした場合、非同期クリアでレジスタをコントロールできます。パワーアップHighにプログラミングした場合、非同期プリセットでレジスタをコントロールできます。この機能により、パワーアップ時に他のデバイスのアクティブLow入力を意図せずアクティブにすることを防ぎます。IOEの1つのレジスタがプリセットまたはクリア信号を使用している場合で、そのIOEの他のレジスタにプリセットまたはクリアが必要な場合には、それらのレジスタは同じ信号を使用する必要があります。