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3.3.6. ガイドライン:クロック・スイッチオーバー
PLLでクロック・スイッチオーバーを使用してデザインする場合は、以下のガイドラインに従ってください。
- クロック喪失検出および自動クロック・スイッチオーバーを使用するには、inclk0とinclk1の周波数差が20%以内である必要があります。この要件を満たせない場合、clkbad[0]信号とclkbad[1]信号は正しく機能しません。
- マニュアル・クロック・スイッチオーバーを使用する場合、inclk0とinclk1周波数差は20%を超えても構いません。ただし、2つのクロック・ソース(周波数、位相、またはその両方)の差によって、PLLがロックを失う可能性があります。PLLをリセットすると、入力クロックと出力クロック間の正しい位相関係が維持されます。
- マニュアル・クロック・スイッチオーバー・イベントを開始するためにclkswitch信号がHighになるとき、inclk0とinclk1の両方を実行している必要があります。この要件を満たせない場合、クロック・スイッチオーバーが正しく機能しません。
- クロック・スイッチオーバー機能と小さい周波数ドリフトを必要とするアプリケーションでは、狭帯域幅PLLを使用する必要があります。狭帯域幅PLLは、基準入力クロックの変動に対する反応が広帯域幅PLLよりも遅くなります。また、スイッチオーバーが起こる際、狭帯域幅PLLが出力にクロック停止を伝える速度は広帯域幅PLLよりも遅くなります。狭帯域幅PLLは、基準クロックのジッタをフィルタします。なお、狭帯域幅PLLではロック時間も長くなることに注意してください。
- スイッチオーバーが起こると、PLLが新しいクロックにロックするための有限の再同期期間が生じることがあります。PLLが再ロックするにあたって必要な正確な時間は、PLLのコンフィギュレーションによって異なります。
- PLLへの入力クロックとPLLからの出力クロックの位相関係は、デザインにおいて重要です。クロック・スイッチオーバーを実行した後、10 nsの間aresetをアサートします。ロックされた信号(またはゲート・ロックされた信号)がHighになるのを待ってから、PLLからの出力クロックを再度イネーブルします。
- PLLの再同期化期間中にシステムが周波数変動に対応できない場合は、スイッチオーバー中にシステムをディセーブルします。clkbad[0]およびclkbad[1]ステータス信号を使用してPFDをオフ(pfdena = 0)にすることにより、VCOは最後の周波数を維持します。また、スイッチオーバー・ステート・マシンを使用して、セカンダリ・クロックに切り換えることもできます。PFDをイネーブルすると、出力クロック・イネーブル信号(clkena)がスイッチオーバーおよび再同期化期間中にクロック出力をディセーブルすることができます。ロック表示が安定した後、システムは出力クロックを再度イネーブルすることができます。
- プライマリ・クロックが失われるとVCO周波数は徐々に低下し、セカンダリ・クロックにロックするとVCOは上昇します。次の図はこの状況を図示しています。VCOがセカンダリ・クロックにロックした後、VCO周波数で多少のオーバーシュート(過周波数状態)が生じることがあります。
図 25. VCOのスイッチオーバー動作周波数