インテル® Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: デザインのコンパイル

ID 683236
日付 6/26/2023
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ドキュメント目次

2.2.2.2. ランダム・アクセス・メモリー (RAM)

RAMを増やすことには、次のような利点があります。

  • パフォーマンスの向上: より多くのRAMを使用することで、 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアでは、より多くのデータをメモリーに格納することができます。よって、頻繁に使用するデータに対して、システムが低速のハードウェア・ドライブにアクセスする必要性が低下します。これにより、アプリケーションの起動時間やコンパイル時間の短縮、システム全体のパフォーマンスの高速化が見込まれます。
  • マルチタスク処理の向上: より多くのRAMを使用することで、コンピューターでは、速度低下を起こすことなく、より多くのプロセスを同時に処理できるようになります。これは特に、 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアと他のアプリケーションまたはプログラムを同時に使用する場合に重要です。
  • 生産性の向上: より多くのRAMを使用することで、 インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェアの生産性を向上させることができます。これは、コンパイルなどの複雑なタスクに必要な時間が短縮されるためです。
注:
  • インテル® Quartus® Prime開発ソフトウェア・プロ・エディションおよびデバイス・サポート・リリースノートでは、ソフトウェアのシステム要件や推奨されるコンフィグレーションに関する重要な情報を提供しています。リリースノートを参照し、お使いのコンピューターに最低限必要なRAMを確認することで、パフォーマンスを最適化してください。
  • システムの機能を最大限に活用するため、 インテル® では、利用可能なDIMMスロットの最大数を利用することを推奨しています。このコンフィグレーションにより十分なメモリー容量と帯域幅を得ることで、複雑なデザインを効率的に処理できるようになります。

さらに、仮想メモリーの使用率を追跡することで、潜在的なパフォーマンスの問題を特定し、システムを最適化して、 インテル® Quartus® Primeプロ・エディション・ソフトウェア使用時の効率を向上させることができます。Compilation Dashboardのコンパイルレポートから、フローレポートまたはFlow Elapsed Timeレポートカテゴリーを表示し、以前のコンパイルのピーク仮想メモリーを確認します。

次のFlow Elapsed Timeレポート例は、ピーク仮想メモリーを示しています。

図 114. Flow Elapsed Timeレポート

多数のプロセスを並行して実行すると、大量のメモリーリソースが消費され、パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。そのため、 インテル® では、各プロジェクトで使用されるピーク仮想メモリーを考慮し、お使いのコンピューターで利用可能なメモリー容量を超える複数のコンパイルを避けることを推奨しています。これにより、RAMメモリーの輻輳を防ぐことができます。

全体として、RAMの容量を最大限にすることで、スムーズで最適なパフォーマンスとより優れたマルチタスク処理を実現し、リソースを大量に消費するタスクの生産性を向上させることができます。それにより、 インテル® Quartus® Primeプロ・エディション・ソフトウェアの処理の高速化、レイテンシーの低減、および生産性の向上が可能になります。