F-Tile Ethernet Intel® FPGA Hard IPユーザーガイド

ID 683023
日付 7/08/2024
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ドキュメント目次

5.5. Synchronous Ethernet動作におけるクロック接続

Synchronous Ethernet (SyncE) 動作を有効にすると、2つ以上のチャネルでオフチップ・クリーンアップPLLクロック出力を共有することができます。

Synchronous Ethernet規格では、ITU-T G.8261、G.8262、およびG.8264の推奨事項として記載されているとおり、TXクロックをフィルタリングし、一連のノードを介してRXリファレンス・クロックとの同期を維持する必要があります。想定されている使用方法は、ユーザーロジックでトランシーバーのリファレンス・クロックを駆動する場合に、フィルター処理されているバージョンのRXリカバリークロック信号を使用することで、送信機能と受信機能の同期を維持するというものです。この使用モデルでは、IPコア外部のデザイン・コンポーネントによりチップ外でフィルタリングを行います。

次の図では、IPからのリカバリークロック出力をタイルのピンを使用してオフチップ・クリーンアップPLLに接続しています。Fタイルでは、FGT PMAからのリカバリークロックをタイル自体の専用クロック出力ピンに駆動することができます。各Fタイルには、そのようなクロック出力が2つのみあります (FGT QUAD 2と3)。それぞれに専用のクロック出力ピンが1つあります (Refclk8/9)。

一次およびバックアップのクリーンアップ・クロックは、同じSyncEネットワーク上のリモート・ステーションに接続されているポートペアからのリカバリークロック出力ピンから供給され、トランシーバー・リファレンス・クロックはクリーンアップPLLの出力から供給されます。

次の図において、out_cdr_clk0 はオフチップ・クリーンアップPLLに向かうクロックです。

図 25. Sync-Eクロックのクロック接続 (CDRクロック出力ピン使用)
注: イーサネットIPシステムクロックをトランシーバー・クロックとは異なるリファレンス・クロックから取得している場合は、Custom Cadence モードを設定してクロック間のPPM差を一致させる必要があります。

Synchronous Ethernet (SyncE) 動作の実装

Fタイルのリカバリークロック出力を有効にするには、次に示すように、IPのパラメーター・エディターで Enable dedicated CDR Clock Output を選択します。
図 26. IPパラメーター・エディター: Enable dedicated CDR Clock Output

出力周波数は、入力される refclk の公称値をRXパスの前置分周器で分周した値に等しくなります (o_cdr_divclk=refclk/N)。

分周器 N の値を取得するには、次の手順に従います。

  1. デザインをコンパイルします。
  2. Compilation Report を開き、Logic Generation Tool > IP Parameter Settings Report に移動します。
  3. cdr_n_counter を検索します。
  4. (オプション) cdr_f_ref_hz を検索し、入力リファレンス・クロック周波数をダブルチェックすることもできます。
    図 27. 分周値 N の取得
次の表は、入力リファレンス・クロックに対するリカバリークロック周波数を示しています。
表 29.  リカバリークロック周波数
NRZ/PAM4 入力Refclk (MHz) 分周値 N 出力リカバリーClk (MHz)
NRZ 156.25 4 39.0625
156.25 6 26.0417
312.5 8 39.0625
312.5 12 26.0417
322.265625 12 26.8554688
PAM4 156.25 6 26.0417
312.5 12
注: DUTの上位信号 o_cdr_divclk をシステムPLL IPに接続していることを確認します。
システムPLLに接続するには、次の図に示すように、IPのパラメーター・エディターで Enable FGT CDR Output を選択します。
図 28. System PLL Clocks Intel FPGA IP
注: IPのパラメーター・エディターでは、複数のIPで Enable the dedicated CDR clock output を有効にすることができます。ただし、異なるIPから2つの専用CDRクロック出力を有効にする場合は、システムPLLで Enable FGT CDR Output #0 および Enable FGT CDR Output #1 を有効にする必要があります。

Synchronous Ethernet動作のデザイン例の生成

  1. デザイン例を生成するには、IPのパラメーター・エディターで Enable dedicated CDR Clock Output を選択後に、Example Design タブに移動します。
  2. Available example Designs にある Select Design パラメーターでは、次のオプションを選択することができます。
    図 29. Select Designsで選択可能なデザイン例
    • AN/LT、ETH IPの2つの個別インスタンス
    • IPコアの複数インスタンス
    • IPコアの単一インスタンス
    • なし
    注: Enable dedicated CDR Clock Output をオンにしている場合は、IPコアの複数インスタンスはサポートされません。