F-Tile Ethernet Intel® FPGA Hard IPユーザーガイド

ID 683023
日付 7/08/2024
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ドキュメント目次

5.6. カスタム拍

カスタム拍を使用すると、データパスのオーバークロックが原因で発生するTX PMAインターフェイスFIFOのオーバーフローが起こらないようにすることができます。次の2つのシナリオでは、カスタム拍を使用する必要があります。
  • TX PMAのリファレンス・クロックとシステムPLLのリファレンス・クロックが異なる場合。システムPLL周波数はPMAパラレル周波数と同じになるようにコンフィグレーションされますが、TX PMAパラレルクロック周波数とシステムPLL周波数でPPMの差が生じる場合があります。
  • システムPLL周波数がPMAパラレルクロック周波数よりも高い場合。この非標準のシステムPLL周波数は、複数のインターフェイスで同じシステムクロックを共有する場合に必要になることがあります (一部のインターフェイスをPMAパラレルクロック周波数よりも高い、オーバークロックされたシステムPLL周波数で実行する必要がある)。このシナリオは、システムPLLの数が限られている場合や、ダイナミック・リコンフィグレーションが有効になっている場合に発生する可能性があります。

インターフェイスでカスタム拍が必要な場合は、カスタム拍を有効にする必要があります。カスタム拍を有効にするには、System PLL frequency IPパラメーターで Custom を選択し、必要なカスタムシステムPLL周波数を入力します。

System PLL frequency IPパラメーターが Custom に設定されている場合、IPは内部にカスタム拍コントローラーを含みます。

外部カスタム拍コントローラーが必要な場合は、External Custom Cadence Controller IPパラメーターを選択し、外部カスタム拍コントローラーを有効にします。このオプションを選択すると、外部カスタム拍コントローラーが有効になり、i_custom_cadence 入力ポートがIPポートリストで利用できるようになります。i_custom_cadence 入力ポートを駆動して、安定したデータ有効拍を生成します。

複数のIPインスタンスのデザインでは、外部カスタム拍コントローラー・オプションを使用してロジックを複数のIPで共有し、リソース使用率を減らすことができます。

表 30.  カスタム拍のユースケース
略語
  • CL74: IEEE 802.3 BASE-R Firecode (CL74)
  • CL91: IEEE 802.3 RS(528,514) (CL91)
  • CL134: IEEE 802.3 RS(544,514) (CL134)
  • ETC: Ethernet Technology Consortium ETC RS(272, 258)
  • MAC AvST: MAC Avalon® ST
  • MAC Seg: MACセグメント化
コンフィグレーション システムPLL周波数 (MHz) ユースケース カスタム拍コントローラーの選択
NRZモード
  • FECモード
    • None
    • CL74
    • CL91
  • クライアント・インターフェイス
    • MAC Seg
    • MAC AvST
830.078125
  • システムPLLをFECモード・コンフィグレーションのCL134またはETCで共有し、システムPLLリファレンス・クロックとPMAリファレンス・クロックのソースが同じで、同じクロック周波数を使用している場合 (0ppm)。
  • システムPLLリファレンス・クロックとPMAリファレンス・クロックのソースが異なる場合。Custom system PLL Frequency を有効にし、入力を830.078125MHzに設定します。

一般的な805.6640625MHzではなく830.078125MHzを選択している場合、IPでは内部カスタム拍コントローラー・ロジックが有効になります。

PCS

OTN

FlexE

805.6640625

または

830.078125

  • システムPLLリファレンス・クロックとPMAリファレンス・クロックのソースが同じで、同じクロック周波数を使用している場合 (0ppm)。
  • システムPLLリファレンス・クロックとPMAリファレンス・クロックのソースが異なる場合。Custom system PLL Frequencyを有効にし、入力を805.6640625MHzまたは830.078125MHzに設定します。

830.078125MHzまたは805.6640625MHzの場合、IPでは内部カスタム拍コントローラー・ロジックが有効になります。

次のクライアント・インターフェイスを備えるバリアント
  • MAC Seg
  • MAC AvST
  • MII PCS only
  • PCS66 OTN
  • PCS66 FlexE
カスタムPLL
  • 非標準のシステムPLL周波数 (例: 900MHz) が必要な場合。
  • システムPLLリファレンス・クロックとPMAリファレンス・クロックのソースが異なる場合。
外部カスタム拍コントローラーが無効になっている場合は、IPでは内部カスタム拍コントローラーが有効になります。

外部カスタム拍コントローラーが有効になっている場合は、i_custom_cadence ポートを駆動する必要があります。

表 31.  カスタム拍のさまざまなシナリオ (25GE-1、IEEE 802.3 RS(528,514) (CL91) FECモード)この例では、システムPLL周波数を805.6640625MHzと想定しています。
クライアント・インターフェイス システムPLL周波数 (MHz) PMA/システムPLLのリファレンス・クロックソース カスタム拍の必要性 カスタム拍コントローラー クライアント・インターフェイス周波数 FIFO要件
MAC Avalon® ST 805.6640625 同じ なし システムPLL周波数/2と同じ

(402.83203125MHz)

なし
MAC Avalon® ST 805.6640625 同じ なし システムPLL周波数/2とは異なる

(例: 390.625MHz)

Enable asynchronous adapter clocks パラメーターはオン
MAC Avalon® ST カスタム

(例: 805.6640625)

異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2と同じ

(例:

402.83203125MHz)

なし
MAC Avalon® ST カスタム

(例: 805.6640625)

異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2とは異なる

(例: 390.625MHz)

Enable asynchronous adapter clocks パラメーターはオン 18
MAC Avalon® ST 830.078125 同じ あり 内部 システムPLL周波数/2と同じ

(415.078125MHz)

なし
MAC Avalon® ST 830.078125 同じ あり 内部 システムPLL周波数/2とは異なる

(例:

390.625MHz、402.83203125MHz)

Enable asynchronous adapter clocks パラメーターはオン
MAC Avalon® ST カスタム

(例: 830.078125または900)

同じまたは異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2と同じ

(例:

415.078125MHz、450MHz)

なし
MAC Avalon® ST カスタム

(例: 830.078125または900)

同じまたは異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2とは異なる

(例:

390.625MHz、402.83203125MHz)

Enable asynchronous adapter clocks パラメーターはオン 18
MACセグメント化 805.6640625 同じ なし システムPLL周波数/2と同じ

(402.83203125MHz)

なし
MACセグメント化 805.6640625 同じ なし システムPLL周波数/2とは異なる

(例: 390.625MHz)

イーサネットIP外部でインスタンス化されるクライアント・カスタムFIFO
MACセグメント化 カスタム

(例: 805.6640625)

異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2と同じ

(例:

402.83203125MHz)

なし
MACセグメント化 カスタム

(例: 805.6640625)

異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2とは異なる

(例: 390.625MHz)

イーサネットIP外部でインスタンス化されるクライアント・カスタムFIFO
MACセグメント化 830.078125 同じ あり 内部 システムPLL周波数/2と同じ

(415.078125 MHz)

なし
MACセグメント化 830.078125 同じ あり 内部 システムPLL周波数/2とは異なる

(例:

390.625MHz、402.83203125MHz)

イーサネットIP外部でインスタンス化されるクライアント・カスタムFIFO
MACセグメント化 カスタム

(例: 830.078125または900)

同じまたは異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2と同じ

(例:

415.078125MHz、450MHz)

なし
MACセグメント化 カスタム

(例: 830.078125または900)

同じまたは異なる (PPM) あり 内部または外部 システムPLL周波数/2とは異なる

(例:

390.625MHz、402.83203125MHz)

イーサネットIP外部でインスタンス化されるクライアント・カスタムFIFO
18 複数のIPインスタンスを使用しており、Enable asynchronous adapter clocksExternal Custom Cadence Controller の両方を有効にしている場合は、対応する o_clk_pll クロックを使用して各IPの i_custom_cadence 信号を生成する必要があります。