Eタイル・トランシーバーPHYユーザーガイド

ID 683723
日付 12/09/2021
Public
ドキュメント目次

2.2.9. デスキューロジック

TXデスキューロジック

ボンディングをイネーブルすると (PMA direct high data rateモードの場合はボンディングがイネーブルされていない場合でも)、トランシーバー・インターフェイスのデスキューロジックが作動します。それにより、同じクロックサイクル内の複数のチャネル間で転送されるデータを整列させます。ただし、デスキューロジックにはユーザー側のアクションが必要です。TXパラレルデータのビット33 (data[33]) は、デスキューパルスとして機能するようにマッピングされています。PMA Direct high data rateの場合は、すべての結合チャネルのデスキュー・パルス・ビットを駆動しなければなりません。このとき使用するパルスは、8番目のパラレル・クロック・サイクルごとにアクティブになるパルスです。デスキューロジックでは、デスキューパルスを使用してFIFOの整列を行います。チャネルが整列するまでには数サイクルかかります。すべての結合レーンのTXデスキュー・ステータス・レジスター cfg_tx_deskew_sts に対して Avalon® メモリーマップド・インターフェイス読み出しを実行して、デスキューが正常に完了したかどうかを確認してください。これにより、すべての結合チャネルのパラレルデータが整列しているかどうかがわかります。デスキューが成功しなかった場合は、デスキュー・ステータス・レジスターによって、デバッグに関する詳細情報が提供されます。

cfg_tx_deskew_sts[2]
  • 0 = 整列していないか、イネーブルされていないか、デスキュービットを受信していないかのいずれかです
  • 1 = 整列しています
cfg_tx_deskew_sts[1:0]
  • 00 = デスキュービットを受信していません
  • 01 = 整列しています
  • 10 = 整列済みのデスキュービットを1セット受信しました
  • 11 = 整列済みデスキュービット16セットを受信しました

デスキューメカニズムは継続的に実行されます。つまり、アライメント・ロックが失われると、cfg_tx_deskew_sts の監視によってステータスが通知されます。デスキューメカニズムは、2つのEMIBチャネルの場合のPMA direct high data rate PAM4モードでも同様に機能します。つまり、2つのEMIBに送信したデータのデスキューパルスを送信する必要があります。これは、整列先のマスターPMAインターフェイスで、1つのPMAに送信する前に行ってくださください。ダブル幅モードでは、デスキューパルスの送信は、4分の1クロックサイクルごとに行います。

図 36. ダブル幅モードがオフのデスキューパルス (フルレート)
図 37. ダブル幅モードがオンのデスキューパルス (ハーフレート)

追加データビットの使用方法の詳細については、インテル・カスタマー・サポートにお問い合わせください。

表 30.  TXデスキューロジック
E-Tile Native PHY IPモード TX/RX PMAインターフェイス幅 TX/RXダブル幅転送のイネーブル 有効なパラレルデータ デスキュービット パルス・クロック・サイクル
PMA Direct 16 イネーブルしない Data[15:0] Data[33] 8番目のサイクル
PMA Direct 20 イネーブルしない Data[19:0] Data[33] 8番目のサイクル
PMA Direct 32 イネーブルしない Data[31:0] Data[33] 8番目のサイクル
PMA Direct 40 イネーブルしない Data[39:0] サポートなし サポートなし
PMA Direct 16 イネーブルする

Data[55:40]

Data[15:0]

Data[33] 4番目のサイクル
PMA Direct 20 イネーブルする Data[59:40]

Data[19:0]

Data[33] 4番目のサイクル
PMA Direct 32 イネーブルする Data[71:40]

Data[31:0]

Data[33] 4番目のサイクル
PMA direct high data rate PAM4 64 イネーブルしない Data[111:80]

Data[31:0]

Data[33]

Data[113]

8番目のサイクル
PMA direct high data rate PAM4 64 イネーブルする Data[151:120]

Data[71:40]

Data[111:80]

Data[31:0]

Data[33]

Data[113]

4番目のサイクル

RXデスキューロジック

PAM4デュアル・チャネル・モードの場合、データは2つのEMIBから取得されるため、間にスキューが存在する可能性があります。これを軽減するために、ネイティブPHY IPでは、RX側にデスキュー機能を実装して、2つのEMIBのデータを整列させます。ただし、このデスキュー機能をイネーブルできるのは、ネイティブPHY IPのコンフィグレーションが、PMA direct high data rate PAM4 モードで行われている場合のみです。デスキューロジックでは、rx_parallel_data のデスキュービットをサンプリングし、整列ミスがあるかどうかを検出します。整列ミスがあった場合は、デスキューロジックによってスキューサイクルが計算され、整列したデータが出力されます。

デスキューロジックによって軽減できるスキューサイクルは、シングル幅転送の場合、最大2スキューサイクルです。ダブル幅転送の場合は最大1スキューサイクルです。デスキューロジックがイネーブルされている場合は、スキューがなくても、最大3クロックサイクルのレイテンシーが追加されます。2つのスキューサイクルがある場合は、最大5クロックサイクルのレイテンシーが追加されます。

整列ミスを調べるには、rx_parallel_data[159:0] のデスキュービットを読み出してください。これは、レーン0 (ln0 または rx_parallel_data[79:0])、とレーン1 (ln1 または rx_parallel_data[159:80]) に分割されています。

シングルデータ幅転送の場合、デスキュービットはビット [33] です。

図 38. シングルデータ幅転送
ダブルデータ幅転送の場合、デスキュービット [33] と [73] の両方が有効です。ただし、各チャネルに1つずつ現れるので、次の4とおりの組み合わせが考えられます。
  • ln0[33]ln1[33]
  • ln0[33]ln1[73]
  • ln0[73]ln1[33]
  • ln0[73]ln1[73]
図 39. ダブルデータ幅転送

RXデスキューの機能要件

  • ネイティブPHY IPのコンフィグレーションは、PMA direct high data rate PAM4モードで行う必要があります。
  • 2つのEMIBチャネルクロックを1つのクロックドメインで動作させるには、互いを結び付ける必要があります。
    図 40. 同じクロックドメインで動作する2つのEMIBチャネルクロック
  • rx_ready では、レシーバーの準備ができていることを示す必要があります。レシーバーの準備ができていないと、データは信頼できないか。準備ができていません。したがって、レシーバーの準備ができていることが rx_ready によって示されるまで、リセット・コントローラーをリセットしてください。

RXデスキューロジックのイネーブル

  1. ネイティブPHY IP GUIで、Transceiver configuration rules > PMA direct high data rate PAM4の順に選択します。
  2. Enable de-skewをオンにします。
  3. RXデスキューロジックが適用されるのは、PMA direct high data rate PAM4のみです。したがって、Enable RSFECはオフにします。
  4. データが整列していることを検証するため、rx_dskw_ready がアサートされていることを確認します。
図 41. RXデスキューロジックのイネーブル