Eタイル・トランシーバーPHYユーザーガイド

ID 683723
日付 12/09/2021
Public
ドキュメント目次

3.1.2.1.2. RXアダプテーション・モード

Eタイルでは、初期アダプテーション・モードと継続アダプテーション・モードをサポートします。
表 41.  EタイルレシーバーPMA RXアダプテーション・モード
モード 説明
初期アダプテーション アダプテーション・エンジンでは、初期アダプテーション時に、すべてのRXアナログ・フロント・エンド (AFE) パラメーターを適合させ、レシーバーのアイ開口部を最適化し、それに応じて垂直および水平のサンプリング位置を調整します。
  • このモードにより、PMAを既知の適切な設定に調整します。
  • これは破壊的なチューニングであり、データ・トラフィックに影響を与えます。

次のいずれかの条件下で初期アダプテーションを実行します。

  • デバイス・コンフィグレーション時。(詳細については、PMA起動フロー を参照してください。)
  • TXとRXの間で物理チャネルに変更があった場合。
  • デバッグ中に、内部シリアル・ループバック・モードとミッションモードを切り替えて、BER読み出しが極めて高い場合、インテルでは、PMAリセットを発行してから、ループバック・モードと初期アダプテーションを発行することをお勧めします。
継続アダプテーション このアダプテーションの目標は、時間と温度の経過にとともに、サンプラーにおける信号品質を初期アダプテーションに近い状態に維持することです。
  • このモードが実行されるのは、PMAの起動中に初期アダプテーションを実行した後のみです。
  • このモードでは、時間の経過とともに温度を追跡します。そのために、RX AFEパラメーターの新しい値の継続アダプテーションを実行します。
  • このモードは継続的で中断のないプロセスです。つまり、データ・トラフィックには影響を与えません。
  • ハードPRBSジェネレーターと検証ツールを使用したリンクデバッグ処理中は、継続アダプテーションを停止しない限り、エラーカウンターから累積エラーを読み出すことはできません。継続アダプテーションを停止するためのPMAコードと値の詳細は、PMAレジスターマップ を参照してください。

レジスターの読み出し/書き込みのサポートおよびプログラミングの詳細に関しては、PCSレジスターマップ、およびPMA0x000Aレシーバーの調整コントロール を参照して、パラメーターをコンフィグレーションしてください。

表 42.  PMAパラメーターの説明と範囲この表で示しているすべてのPMAパラメーターの最適化は、手動、またはアダプテーション調整エンジンによって実行することができるものです。このパラメーターの一部は、下表に示すように、初期アダプテーションおよび継続アダプテーション中にアダプテーション調整エンジンによって調整します。このパラメーターの一部は、手動で指定することもできます。手動で最適化したパラメーターがアダプテーション調整エンジンによって上書きされないようにするために、パラメーターを修正する必要があります。パラメーターを修正して、アダプテーション・エンジンによるパラメーターの上書きを回避する方法を理解するには、PMA Avalon® Memory-Mappedインターフェイス・レジスターPMAレシーバー等化アダプテーション使用モデル を参照してください。
パラメーター 最小 最大 初期アダプテーション 継続アダプテーション 手動最適化の可否 ファームウェアのデフォルト
GainLF 0 15 8
CTLE LF Min 0 15 該当なし 該当なし 0
CTLE LF Max 0 15 該当なし 該当なし 15
GainHF 0 15 0
CTLE HF min 0 15 該当なし 該当なし 0
CTLE HF max 0 15 該当なし 該当なし 15
GS1 0 3 不可 不可 0
GS2 0 3 不可 不可 0
RF_P2 -10 14 10 不可 不可 0
RF_P2_MIN -1014 10 該当なし 該当なし -10
RF_P2_MAX -1014 10 該当なし 該当なし 10
RF_P1 0 15 不可 0
RF_P1_MIN 0 15 該当なし 該当なし 0
RF_P1_MAX 0 15 該当なし 該当なし 15
RF_P0 -1514 15 不可 0
RF_B1 0 8 0
RF_B0 0 5 0
RF_B0T 0 50 不可 不可 0
RF_A-NRZ 100 160 不可 不可 160 15
RF_A - PAM4 100 160 不可 不可 130 16

PMA初期アダプテーション・エフォート・ステータス

  • 0 = Low Effort (00_effort) は、NRZイーサネットAN/ LTおよびCPRIプロトコル専用です。最も早く完了します。これは、イーサネットの500ミリ秒のコンプライアンス時間、CPRIの100ミリ秒のコンプライアンス時間を満たします。
  • 1 = Medium Effort (05_effort) は、PAM4イーサネットAN/LTプロトコル専用です。3秒のIEEEリンクアップ時間を満たします。
  • 2 =フルエフォート (10_effort)は、一般的な使用法 (NRZおよびPAM4) です。これにより、最良のパフォーマンスと安定性が得られます。ただし、他の初期アダプテーション・エフォートと比較すると、完了するまでに最も時間がかかります。これは、推奨されるアダプテーション・モードです。

「PMAコンフィグレーション・レジスターSTART_ADAPTATIONをロードする」の図を参照してください。

初期アダプテーション・エフォートの設定は、属性を直接使用して行うことができます。送信する属性については、初期アダプテーションのエフォートレベル を参照してください。

14 2の補数、16ビット
15 電源投入時のデフォルトは0です。これは、内部シリアル・ループバックをディスエーブルして中程度または最大のエフォートで初期アダプテーションを実行した後、160に更新されます。エフォートの少ない初期アダプテーションでは、RF_Aは0に保たれます。
16 電源投入時のデフォルトは0です。これは、内部シリアル・ループバックをディスエーブルして中程度または最大のエフォートで初期アダプテーションを実行した後、130に更新されます。