Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 4/01/2024
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ドキュメント目次

2.5.21. タイミングの確認

タイミング・アナライザーの Reports > Constraint Diagnostics > Check Timing コマンド (check_timing) では、デザインおよび制約ファイルにデザイン制約の問題がないかをチェックします。

Check Timing では、コマンドに指定している変数とオプションに基づき、一連の異なるチェックを実行することができます。スクリプト化されている手法を使用する場合は、-include オプションを使用して実行するチェックを指定します。Check Timing (check_timing) を実行する前に、Update Timing Netlist (update_timing_netlist) を実行する必要があります。

図 188. Check TimingレポートとNo Output Delayサブレポート


Check Timing では、次のデータのレポートを確認することができます。

表 37.  Check Timingレポートのデータ
Check Timingのデータ 詳細
no_clock クロックピンにクロック割り当てが1つもないレジスターを報告します。これには、クロック割り当てのないPLLも含まれます。
multiple_clock クロックピンに複数のクロックがあるレジスターを報告します。複数のクロックがレジスターのクロックピンにある場合は、解析に使用するクロックを定義する必要があります。
generated_clock 無効な生成クロックを報告します。生成されるクロックには、有効なクロックによってトリガーされるソースが必要です。
no_input_delay クロックではない入力ポートに入力遅延制約がない場合を報告します。
no_output_delay 出力遅延制約のない出力ポートを報告します。
partial_input_delay

rise-minfall-minrise-maxfall-max 制約セットがない入力遅延を報告します。

partial_output_delay rise-minfall-minrise-maxfall-max 制約セットがない出力遅延を報告します。
io_min_max_delay_consistency set_input_delay または set_output_delay 制約で指定している最小遅延値が最大遅延値より小さくない場合に報告します。
reference_pin set_input_delay および set_output_delay で指定しているリファレンス・ピンで無効な -reference_pin を使用している場合を報告します。reference_pin は、同じ set_input_delay コマンドまたは set_output_delay コマンドの -clock オプションが reference_pin の直接的なファンインにあるクロックと一致する場合にのみ有効です。reference_pin の直接的なファンインにあるとは、クロックと reference_pin の間にキーパーがあってはならないことを意味します。
latency_override ポートまたはピンに設定しているクロック・レイテンシーにより、クロックに設定されている一般的なクロック・レイテンシーをオーバーライドするインスタンスを報告します。クロックにはクロック・レイテンシーを設定することができます。レイテンシーはそのクロックを使用するすべてのキーパーに適用されます。また、ポートまたはピンにクロック・レイテンシーを設定することもできます。その場合は、ポートまたはピンのファンアウトのレジスターにレイテンシーが適用されます。
loops ネットリストに、強力に接続されているコンポーネントがあるインスタンスを報告します。このようなループは、デザインの適切な解析を妨げます。loopsのチェックでは、存在するループがタイミング解析で走査されないようにマークされていることも報告します。
latches デザインのラッチが存在するインスタンスを報告し、ラッチが正しく解析されない可能性があることを警告します。最良の結果を得るには、デザインを変更して可能な限りラッチを取り除くようにします。
pos_neg_clock_domain レジスターで同じクロックの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方を使用しているインスタンスを報告します。クロック・マルチプレクサーなど、このシナリオが必要な場合は、2つの個別のクロックを作成して同様の設定にし、同じノードに割り当てます。
pll_cross_check PLLに割り当てられているクロックがデザインファイルで定義しているPLLの設定と正しく対応していないインスタンスを報告します。サブレポートには、一貫性のない設定、またはPLLに関連付けられているクロック数の不一致が示されます。
uncertainty 2つのクロック間にクロック不確実性の割り当てが設定されていないクロック間転送を報告します。ターゲットのデバイスファミリーに derive_clock_uncertainty サポートがある場合、このレポートには、推奨されるクロック不確実性値よりも小さい、ユーザー定義の set_clock_uncertainty 割り当ての数が含まれます。
virtual_clock 制約のない、参照されていない仮想クロックを報告します。
partial_multicycle セットアップ・マルチサイクル割り当てに対応するホールド・マルチサイクル割り当てがない場合、および各ホールド・マルチサイクル割り当てに対応するセットアップ・マルチサイクル割り当てがあるかを報告します。
multicycle_consistency マルチサイクル・インスタンスで、セットアップ・マルチサイクルがホールド・マルチサイクルよりも1サイクル大きくない場合を報告します。適切なホールド・マルチサイクル割り当ては通常、セットアップ・マルチサイクル割り当てよりも1サイクル少なくなります。
partial_min_max_delay 対応する最大遅延割り当てのない最小遅延割り当て、および対応する最小遅延割り当てのない最大遅延割り当てを報告します。
clock_assignments_on_output_ports クロック割り当てのある出力ポートを報告します。
input_delay_assigned_to_clock 入力遅延値が設定されているクロックを報告します。タイミング・アナライザーは、クロックポートに設定されている入力遅延を無視します。これは、データとしてのクロック解析が優先されるためです。
internal_io_delay -reference_pin および -source_latency_included の指定がないI/O遅延制約を報告します。この場合、-clock は最上位の入力ポートまたは出力ポートに割り当てられていないクロックです。