Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 4/01/2024
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ドキュメント目次

2.3.4. 制約変更の反復

最初に、RTLでのSDC制約をコンパイルフローのAnalysis & Elaborationステージで制定します。RTLでのSDC制約を繰り返し変更することで、場合によってはAnalysis & Elaborationに複数回戻り、変更した制約をネットリストに適用する必要が出てきます。

コンパイルステージを通して一定に保たれる制約は、RTLでのSDC制約として指定することが推奨されます。その後、従来の制約ファイルを使用して、デザインの残りの部分の制約を繰り返し変更して解析することができます。

制約を繰り返し変更するには、次の手順に従います。

  1. Tools > Timing Analyzer をクリックします。
  2. 解析するレポートを生成します。Macros にある Report All Summaries をダブルクリックし、セットアップ、ホールド、リカバリー、およびリムーバルの要約、サポートされているレポートの要約、およびデザインで定義されているすべてのクロックのリストを生成します。これらの概要レポートは、デザインで制約しているすべてのパスを網羅します。制約を変更または修正する場合はかならず、Constraint Diagnostic レポートを生成し、デザインで制約されていない部分または無視されている制約を特定します。
  3. レポートの結果を分析します。制約を変更した場合は、レポートを再実行することで予期しない結果を特定します。例えば、クロスドメイン・パスは、クロックグループにクロックを含めて転送の切断をしていないことを示している場合があります。
  4. .sdc ファイルで適切な制約を作成または編集し、ファイルを保存します。
  5. Tasks ペインの Reset Design をダブルクリックします。これにより、デザインからすべての制約が削除されます。デザインからすべての制約を削除すると、変更を含むSDCファイルを再度読み込むことができます。
  6. 解析するレポートを再生成します。
  7. 結果を再分析します。
  8. 必要に応じてステップ4から7を繰り返します。

この方法では、既存のロジック配置を変更することなく、更新された制約でタイミング解析を実行します。フィッターではデザインの配置配線に元の制約を使用しますが、タイミング・アナライザーは新しく適用されている制約を含めます。更新された制約に関してタイミングの問題がある場合は、コンパイルのFitterステージを再度行います。さらに、デザインをより制御するには、一部の制約をRTLでのSDC手法に変換することを検討します。詳細は、RTLでのSDCタイミング制約の指定で説明されています。