Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 4/01/2024
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ドキュメント目次

2.5.8. メタスタビリティー・レポート

タイミング・アナライザーの Reports > Clock Domain Crossings > Report Metastability... コマンドでは、デザインで検出された同期レジスターチェーンのリストを生成し、各チェーンの平均故障間隔 (MTBF) の見積もりを提供することができます。同等のスクリプトコマンドは report_metastability です。

準安定状態のレジスターの出力は、レジスターの通常の tCO を超える時間、High と Low の間の電圧で停滞します。これにより、この準安定状態の信号を使用する後続のレジスターが異なる値をラッチする可能性があります。関連のないクロックドメイン間でデータを転送する場合は、レジスターチェーンを同期させ、キャプチャーされるデータ信号が準安定状態になる可能性を減らします。

同期レジスターチェーンは、同じクロックを使用する一連のレジスターであり、関連のないクロックドメインのピンまたはロジックによって駆動されます。チェーンの最後のレジスター以外のレジスターはすべて、次のレジスターにのみ接続する必要があります。ただし、ロジックを介して接続することも可能です。

Metastability レポートには、解析で検出された同期チェーンごとに次の情報が表示されます。

  • チェーンの代表的な平均故障間隔 (MTBF)
  • MTBF計算式とシンクロナイザー識別方法
  • 同期レジスターチェーンの利用可能なセトリング時間
  • チェーン内の同期レジスターの数
  • チェーン内の同期レジスターの名前
  • 非同期ソースレジスターの名前
  • MTBF の見積もりに使用するデータ・トグル・レート
  • 送信元クロックのドメイン名
  • 同期クロックのドメイン名

シンクロナイザー・チェーンをより詳細に解析するため、チェーン内の同期レジスターに近接するパスをレポートにすることができます。タイミング・アナライザーGUIのレポートにある同期レジスターのリストから任意の同期レジスター名を右クリックし、コンテキスト・メニューの Report Neighbor Paths をクリックします。

同期レジスターのタイミングをレポートにするには、同期レジスターを右クリックして Report Timing をクリックします。非同期ソースレジスターの場合は、右クリックして Report Path をクリックします。

データ・トグル・レートを指定しない場合、タイミング・アナライザーでは、シンクロナイザーを含むクロックドメインの周波数の12.5%の値を使用してMTBFを計算します。