Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 4/01/2024
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ドキュメント目次

2.5.10. 非同期 CDC レポート

タイミング・アナライザーの Reports > Clock Domain Crossings > Report Asynchronous CDC... コマンドでは、デザイン内のすべての非同期クロック・ドメイン・クロッシング (CDC) 転送を分類し、報告することができます。 非同期 CDC には、シングルビット転送、マルチビット転送、および非同期リセット CDC が含まれます。デザインには多くの場合、意図しない CDC または転送が含まれます。このレポートを使用し、タイミング・アナライザーで CDC がすべて正しく検出されていることを確認します。
表 31.  Report Asynchronous CDC の情報の設定
オプション 利用可能な設定
Clocks レポートをフィルタリングして、From clock から発生し、To clock で終了する CDC のみを表示します。
Targets レポートをフィルタリングして、From レジスターから発生し、To レジスターで終了する CDC のみを表示します。From および To はどちらもレジスターにする必要があります。このオプションは、Clocks オプションではオプションです。
Entries CDC カテゴリーごとに報告されるエントリー数を制限します。
Detail すべての CDC の概要を表示するか、個々の CDC の詳細を表示するかを選択します。
CDC Categories 報告する CDC カテゴリーを指定します。
Report panel name

レポートパネルの名前を指定します。オプションで File name を有効にして、情報をファイルに書き込むことができます。.htm または .html をサフィックスとして追加すると、タイミング・アナライザーはレポートを HTML として生成します。File name を有効にすると、最新のデータでファイルを上書きまたは追加することができます。

Tcl command

選択した GUI オプションに対応する Tcl 構文を表示します。コマンドは、Console から Tcl ファイルにコピーすることができます。

図 161. 非同期 CDC の概要レポート


Asynchronous CDC レポートのサマリービューでは、デザインの各カテゴリーに分類される CDC の数が概要として表示されます。CDC Count は、カテゴリーで検出されたトポロジーの数を示します。Total Transfer Width は、カテゴリーの CDC 交差の総数を示します。各トポロジーは複数の交差で構成されるため、この値はマルチビット CDC の CDC Count とは異なります。

Asynchronous CDC の完全なレポートでは、デザインで検出された各 CDC トポロジーの送信元および送信先のレジスターとクロックが表示されます。このレポートでは、任意の行をクリックすることができます。CDC のカテゴリー名を含む行をクリックすると、そのカテゴリーの説明と、そのトポロジーをチェックするデザイン・アシスタントの関連規則が表示されます。CDC を含む行をクリックすると、その CDC の詳細情報が CDC Statistics テーブルに表示されます。表示される情報は、CDC のトポロジーによって異なります。

図 162. 非同期 CDC のフルレポート
図 163. Statistics テーブルに表示される各 CDC の詳細情報

Asynchronous CDC Full ReportパネルのAll Source Clocks (Synch/Asynch) 列には、シンクロナイザー・チェーンのすべてのソースノードを駆動するすべてのクロックが表示されます。転送が同期か非同期かは関係ありません。パスが組み合わせロジックを通過してシンクロナイザー・チェーン先頭につながる場合は、シンクロナイザー・チェーンの先頭への非同期転送と同期転送が存在する可能性があります。例えば次の図は、シンクロナイザー・チェーンへの非同期転送と同期転送がある回路を示しています。この例では、Asynchronous CDC Full Reportは、clkB が同期転送であるにもかかわらず、clkAclkB の両方をシンクロナイザー・チェーンのソースクロックとしてリストします。

図 164. シンクロナイザー・チェーンへの非同期および同期転送のある回路