インテルのみ表示可能 — GUID: skb1534865617549
Ixiasoft
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2.3.5.2. エンティティーに結び付けられたSDCファイルの使用
エンティティーに結び付けられているSDCファイルを使用すると、必要な特定のエンティティーのみをターゲットとして制約を設定できるため、タイミング制約の精度が大幅に向上します。この手法により、必要以上に適用される場合のある、グローバル制約の意図しない影響を回避します。そのため、これらの制約を適用するデザイン内の位置をより正確に制御できるようになります。
制約の精度が向上するだけでなく、エンティティーに結び付けられているSDCファイルでは、制約を移植することも可能です。エンティティー縛りのSDC制約を含むパーティションをエクスポートする場合、オプションでこれらの制約をエクスポート・ファイルに含めることができます。それには、Export Design Partition ダイアログボックスの Include entity-bound SDC files for the selected partition オプションを使用します。もしくは、Tclコマンドで -include_sdc_entity_in_partition 引数を使用してこれを指定することもできます。
Quartus® Primeプロ・エディションでエンティティー縛りのSDCファイル手法を使用して特定のSDCファイルをエンティティーに関連付けるには、次の手順に従います。
- 新しいSDCファイルを生成してそれをプロジェクトに含めるには、Project > Add/Remove files in project をクリックします。
- ファイルリストに移動し、新しく作成されたSDCファイルを選択します。
- Properties ボタンをクリックします。
- Type ドロップダウン・リストから、Synopsys Design Constraints File with entity binding を選択します。
図 71. エンティティーの結び付け
- Entity ドロップダウン・リストで、SDCファイルに結び付けるエンティティーを指定します。
- OK をクリックして変更内容を保存します。
もしくは、特定のSDCファイルとエンティティーの関連付けは、.qsf ファイルで次の割り当てを使用して定義することもできます。
QSFの割り当て構文
set_global_assignment -entity <entity_name> -name SDC_ENTITY_FILE <sdc_file_name> \ -library <library_name> [-no_sdc_promotion] [-no_auto_inst_discovery]
次に詳細を説明します。
引数 | 詳細 |
---|---|
-entity <entity_name> | 必須の引数です。これにより、SDCファイル に結び付けるエンティティーを定義します。 |
-name SDC_ENTITY_FILE <sdc_file_name> | SDCファイル名を指定します。ファイルの名前はプロジェクト・パスに相対します。 スコープに関して、SDC_ENTITY_FILE のデフォルトの設定は自動制約スコープです。自動スコープとは、任意の get コマンド (get_pins、get_ports など) で取得するSDCファイル内のそれぞれの結果の先頭にインスタンスのパスが付けられることを意味します。これによりすべての get コマンドは、SDCファイルに関連付けられている結び付きのあるインスタンス内の項目のみをターゲットとするようになります。(インスタンスレベルのターゲット化を行う) このコンフィグレーションを非アクティブにするには、SDCコマンドで利用可能な -no_sdc_promotion 引数を使用します。この選択により、コレクションのスコープを手動で設定できるようになります。その場合は、現在のインスタンスへの最上位パスを明示的に指定する、もしくは現在のインスタンスへの最上位パスを提供する get_current_instance コマンドを使用します。このような手法は、ローカルコマンドと、SDCファイルに関連付けられているインスタンスの外部にあるグローバルな最上位パスまたはオブジェクトをターゲットとする必要があるコマンドを組み合わせる場合に非常に役立ちます。 |
-library <library_name> | 参照されるエンティティーのライブラリーを示します。ライブラリーを指定しない場合、 Quartus® Primeプロ・エディションは自動的に altera_work ライブラリーをデフォルトとして使用します。 |
-no_sdc_promotion -no_auto_inst_discovery |
エンティティーに結び付けられたSDCをグローバルSDCファイルに変換し、コンパイル全体で一度だけ読み取られるようにします。そのため、qdb ファイルとしてエクスポートするエンティティーとSDCをまとめる場合に特に適しています。このコンフィグレーションでは、SDCのコレクション・フィルターにおいて get コマンドでグローバル最上位パスを指定することも可能です。 |