Quartus® Primeプロ・エディションのユーザーガイド: タイミング・アナライザー

ID 683243
日付 4/01/2024
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ドキュメント目次

2.3.5.2.3. エンティティーに結び付けられた制約における手動スコープ例

エンティティーに結び付けられているSDCファイルのスコープを手動に変更する (例えば、エンティティー外部の要素をターゲットにする) には、.qsf 割り当てを使用します。エンティティーに結び付けられているSDCファイルの定義に -no_sdc_promotion パラメーターを含めることで、コンパイラーによって各コレクション・フィルターの前に現在のインスタンスの完全なパスが追加されないようにします。例えば、手動スコープに変更するには、上の自動スコープの例で clk_div エンティティーに関連付けられている .sdc ファイルで、次のように -no_sdc_promotion パラメーターを追加します。

set_global_assignment -name SDC_ENTITY_FILE clk_div.sdc -entity clk_div -no_sdc_promotion

コレクション・フィルターのスコープを正確に設定するには、get_current_instance コマンドを使用します。get_current_instance では、現在のインスタンスへの最上位パスを指定することにより、フィルターのスコープ処理が効率的になり、インスタンス境界内の要素に向けられるようになります。

# clk_div.sdc
set current_entity_instance [get_current_instance]
set unique_clock_name "${current_entity_instance}_clkout"
create_generated_clock -divide_by 2 -source [get_pins clkdiv_a|clk] \
-name $unique_clock_name [get_pins ${current_entity_instance}|clkdiv_a|q]

指定されているエンティティー縛りのSDCファイルで自動スコープが無効になっている場合、タイミング・アナライザーの SDC File List レポートではPromoted列に「No」が表示され、この変更が示されます。

図 77. タイミング・アナライザーのSDC File Listレポート