インテル® Arria® 10 コア・ファブリックおよび汎用 I/O ハンドブック

ID 683461
日付 6/21/2017
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ドキュメント目次

8.1. SEU 緩和の概要

SEU (Single Event Upset) とは、宇宙放射線の影響により、デバイスや一般的にはSRAM (Static Random Access Memory) といったシステム内部のストレージ・エレメントの状態が変化することを指します。この状態はソフトエラーであり、多くの場合、ストレージ・エレメントをその初期値に復帰することにより修正可能で、デバイス自体にはダメージを残しません。意図しないメモリー状態により、デバイスは、これを修正するまで誤った動作を継続することがあります。

SER (Soft Error Rate) は、動作時間10億時間あたり1回のソフトエラー発生を1とするFIT (Failure-in-Time) 単位で表されます。発生頻度が低ければ、多くの場合SEUの緩和は不要です。しかし、複数の集積度の高いコンポーネントを含む複雑なシステムでは、エラー・レートは重要なシステム・デザイン要素となります。システムが複数のFPGAを含んでおり、高い信頼性と可用性を必要とする場合は、ソフトエラーの影響を考慮する必要があり、この種のエラーの検出・回復に使用可能なテクニックを使用します。