Quartus® Prime プロ・エディションのユーザーガイド: デザイン最適化

ID 683641
日付 7/08/2024
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ドキュメント目次

5.5.7.1. 集約のユースケース

集約を使用すると、すべてのコンパイル結果を 1 つのワークスペースで確認できます。例えば、集約を使用することで、特定のタイミング障害が頻繁に発生するのか、それとも時折発生するのかを判断できます。頻繁に発生する障害に最適化作業を集中させる方が、時折発生するエラーに集中するよりも高い効果をもたらします。

Quartus® Prime Compiler は確率的な性質を持っているため、集約は有用です。この確率的な性質とは、Compiler がいくつかの意思決定プロセスにおいてランダムなヒューリスティックを使用していることを意味します。これらのヒューリスティックは平均的には良好に機能しますが、特定のシーケンスでは異常に良い結果や悪い結果となることがあります。

多くの場合、これらのランダムな決定を制御するシード値は、デザインを変更することなく、所定のデザインを探索するために変更できるプロジェクト入力です。これらのランダムな判定は特定のネットリスト・トポロジー、制約、およびデザイン・ファイル・コンテンツの順序に影響されるため、プロジェクト・エレメントを変更しても、デザインに意味のある変更を加えることなく、「シード効果」を得られる可能性があります。したがって、任意のコンパイル結果はデザインの品質を正確に示すものではありません。個々のコンパイルはプログラミング・ファイルの唯一のソースですが、異なるシード値を持つ複数のコンパイルを並行して実行し、各プロジェクトに独自のシード値を含めることで、最良の結果を得ることができます。

集約を行う場合は通常、結果に共通する傾向や限界を探します。集約を使用して分析するコンパイルは、まったく同じデザインの異なるコンパイルであるため、プロジェクト間のランダムな違いはキャンセルされ、根本的な問題は再発するはずです。

それでも、特定のプロジェクトやシードが異常な値となることがあります。その場合、残りのプロジェクトの集約と比較することができます。この手法を使用すれば、典型的な結果と比較して、異常な値となったプロジェクトの良い結果やに悪い結果を、説明することができます。