Quartus® Prime プロ・エディションのユーザーガイド: デザイン最適化

ID 683641
日付 7/08/2024
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ドキュメント目次

5.5.9.14.2. クロックドメインを交差する問題のあるパスを解析する際のヒント

クロックパス障害を解析する場合

  • これらのパスが 2 つのクロックドメインをまたいでいるかどうかを確認してください。 2 つのクロックドメインをまたぐパスでは、タイミング解析レポートの From ClockTo Clock が異なります。
    図 70. From Clock と To Clock 領域の異なる値
  • デザインに、ソースレジスターとデスティネーション・レジスターのクロックが同じであっても、パスの中に異なるクロックが関与するパスが含まれているかどうかを確認します。
  • このようなクロックドメイン間において障害のあるパスが同期的に解析する必要があるかどうかを確認します。同期的に解析する必要がない障害のあるパスは、フォルスパスとして設定してください。
  • デザインで report_timing を実行すると、レポートには各障害パスの起動クロックとラッチクロックが表示されます。起動クロックとラッチクロックの関係が現実的であり、デザインに関する知識から期待されるものであるかどうかを確認します。例えば、パスは立ち上がりエッジで開始し、立ち下がりエッジで完了しますが、これはセットアップ関係を半分のクロックサイクルに低減させます。
  • Timing Report に表示されるクロックスキューを確認します。大きなスキューは、デザイン上の問題 (例えば、ゲーテッドクロック) や物理レイアウトの問題 (例えば、専用クロック配線ではなくローカル配線を使用するクロック) を示している可能性があります。パスが同期的に解析され、パス上に大きなスキューがなく、制約が正しいことを確認したら、データパスを解析できます。これらの手順は、クロックドメインをまたぐパスの制約を微調整し、正確なタイミングレポートを得るのに役立ちます。
  • PLL 位相シフトがセットアップ要件を低減しているかを確認します。セットアップ要件は、PLL パラメーターと設定で調整することができる場合があります。
  • クロックが関連している場合でも、同期ロジック (例えば、FIFO やダブルデータ同期レジスター) で保護されたロジックのクロックドメインをまたぐパスは無視してください。あるいは、関連のないクロック間で set_clock_groups -exclusive 設定を指定してください。
  • すべての不要なパスに対して、フォルスパス制約を設定してください。必要のないパスの最適化を試みると、場合によってはデザインに不可欠なタイミングパス上のタイミング要件をフィッターが満たさないことがあります。