Quartus® Prime プロ・エディションのユーザーガイド: デザイン最適化

ID 683641
日付 7/08/2024
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ドキュメント目次

5.5.7.2. 比較のユースケース

コンパイル結果の比較は、2 のコンパイル結果セット間で異なる条件やプロパティーのセットを判断するのに役立ちます。 例えば、類似のソースファイルから異なる時点で生成したコンパイル結果のセットの違いを比較することができます。 Quartus® Prime Compiler の観点から見ると、このようなプロジェクトは技術的には異なります。また、Exploration Dashboard の結果をエクスポートして、他のツールでさらに数学的な分析を行うこともできます。

比較を行うことで、特定のデザイン設計変更によって期待するコンパイル結果をもたらすかどうかを判断できます。集約前の結果と集約後の結果を比較することができます。Exploration Dashboard は、まずデザインの各バージョンのシードを複数まとめてに分析し、その後、デザインのバージョン間で共通の結果を比較します。比較のユースケースでは、デザインの変更が全体的にデザインを改善したか悪化させたかを判断することが目的です。

図 62. Fmax 集約および比較分析の可視化

Fmax 集約および比較分析の可視化 は、集約に続く比較の例を示しています。この例のユースケースでは、次のようになります。

  1. 設計者はまず、デザインの「Version1」を 4 つの異なるシード値で 4 回コンパイルします。
  2. 次に、設計者は「Version2」にデザインにいくつかの変更を加えます。
  3. 設計者は、「Version2」を 4 回コンパイルします。

「Version2」のデザイン変更が全体的にデザイン・パフォーマンスを向上させるかどうかを判断するために、設計者は次の手順を実行できます。

  1. 各バージョンの Fmax 結果を集約するために、シード全体の Fmax の幾何平均 (geomean) を取ります。
  2. geomean 値を比較し、「Version2」が「Version1」と比較して Fmax が期待される +12% の改善を示していると結論付けます。

個々のシード対シードの比較ではこの結果を示すことができないため、Exploration Dashboard はこの比較に役立ちます。個々のコンパイル結果を比較すると、異なる結論になることがあります。