インテル® Cyclone® 10 GXコアファブリックおよび汎用I/Oハンドブック

ID 683775
日付 8/13/2021
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ドキュメント目次

8.1. シングル・イベント・アップセット

SEU (Single Event Upset) とは、FPGAの内部メモリーエレメントの状態がまれに意図せぬ変化をすることで、宇宙放射線の影響によって発生します。 この状態変化はソフトエラーであり、FPGAが永久的に破損することはありません。FPGAは、意図せぬメモリー状態になるため、バックグラウンド・スクラビングによって問題が修正されるまでは、誤って動作する可能性があります。

Quartus Prime プロ・エディション開発ソフトウェアで提供されている機能の中には、SEUの影響、つまりソフトエラーの検出と修正、またデザインに対するSEUの影響の特性評価を行うためのものがあります。また、一部のIntel FPGAには、エラーの検出と修正に役立つ専用の回路が含まれています。

図 151. SEUを検出および修正するためのツール、IP、および回路

Intel FPGAのメモリーは、ユーザーロジック(ブロックメモリーとレジスター)およびConfiguration Random Access Memory (CRAM) 内にあります。Quartus Prime プロ・エディション ProgrammerではCRAMのロードには .sof ファイルが使用されます。その後CRAMでは、すべてのFPGAロジックと配線のコンフィグレーションが行われます。SEUでCRAMビットを検出した場合、デバイスでCRAMビットを使用していなければその影響は無害ですが、影響が深刻になる可能性があるのは、SEUによって重要なロジックまたは内部信号配線が影響を受けた場合です。

多くの場合、デザインでSEUが発生する可能性は低いので緩和は必要ありませんが、複数の高密度コンポーネントを含むシステムなどの非常に複雑なシステムでは、エラー率が重要なシステムデザインの要素になる可能性があります。システムに複数のFPGAが含まれていて、非常に高い信頼性と可用性が必要な場合は、ソフトエラーの影響を考慮し、この章で説明する手法で、このような種類のエラーを検出して修復してください。