Nios II Gen2 プロセッサー・リファレンス・ガイド

ID 683836
日付 10/28/2016
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ドキュメント目次

2.6.2.2. キャッシュメモリーの効果的な使用法

性能を改善するためのキャッシュメモリーの効果は、以下の前提に基づきます。
  • 通常のメモリーがオフチップで配置され、オンチップ・メモリーと比較してアクセス時間が長い
  • 性能が重視される最大命令ループが命令キャッシュよりも小さい
  • 性能が重視されるデータの最大ブロックがデータキャッシュよりも小さい

対象となるアプリケーションにおける効果は設計者が判断できますが、最適なキャッシュ構成はアプリケーションによって異なります。例えば、Nios II プロセッサー・システムに、高速オンチップ・メモリーしかない ( つまり、低速オフチップ・メモリーにはアクセスしない ) 場合、命令キャッシュまたはデータキャッシュによる性能向上は期待できません。別の例では、プログラムの重要なループが 2 KB でも、命令キャッシュのサイズが 1 KB であれば、命令キャッシュによって実行速度が向上することはありません。実際には、性能は低下すると考えられます。

性能上の理由から、特定のデータまたはコードセクションがキャッシュメモリーに存在することをアプリケーションが要求する場合、密結合メモリー機能によってより適切なソリューションが提供されることがあります。詳しくは「密結合メモリー」の項を参照してください。