Nios II Gen2 プロセッサー・リファレンス・ガイド

ID 683836
日付 10/28/2016
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ドキュメント目次

2.7.5. ハードウェア・トリガー

ハードウェア・トリガーは、リアルタイム・プログラム実行中の命令バスまたはデータバスの状態に基づいて、デバッグ動作をアクティブにします。トリガーは単にプロセッサーの実行を停止するだけではありません。例えば、リアルタイプ・プロセッサー実行中のトレースデータ収集をイネーブルすることにも使用できます。

ハードウェア・トリガー条件は、命令バスまたはデータバスのいずれかに基づきます。同一バス上のトリガー条件は論理積をとることができるため、例えば JTAG デバッグモジュールをライトサイクルでのみ特定のアドレスにトリガーさせることができます。

表 6.  トリガー条件
条件 バス 説明
特定のアドレス データ、命令 バスが特定のアドレスにアクセスした際にトリガーします。
特定のデータ値 データ バス上に特定のデータ値が現れた際にトリガーします。
読み出しサイクル データ 読み出しバスサイクルでトリガーします。
書き込みサイクル データ 書き込みバスサイクルでトリガーします。
アーム条件 データ、命令 アーム付きトリガーイベント後にのみトリガーします。「アーム付きトリガー」の項を参照。
範囲 データ アドレス値、データ値、またはその両方の範囲でトリガートリガーします。「値の範囲でのトリガー」の項を参照。

プロセッサーの実行中にトリガー条件が満たされると、JTAG デバッグモジュールは、実行の停止やトレース・キャプチャーの開始などの動作をトリガーします。下の表は、Nios II JTAG デバッグモジュールでサポートされるトリガー動作を示しています。

表 7.  トリガー動作
動作 説明
ブレーク 実行を停止し、制御を JTAG デバッグモジュールに移します。
外部トリガー トリガー信号出力をアサートします。このトリガー出力は、例えば外部ロジック・アナライザーのトリガーに使用することができます。
トレースオン トレース収集をオンにします。
トレースオフ トレース収集をオフにします。
トレースサンプル バスの 1 つのサンプルをトレースバッファーに格納します。
アーム アーム付きトリガーをイネーブルにします。
注: トレースサンプル動作のトリガーアクションは、データバス上の状態によってのみトリガーします。