Nios® V プロセッサー・ソフトウェア開発者ハンドブック

ID 743810
日付 7/08/2024
Public
ドキュメント目次

16.5.3. BSP 生成コールバックの Tcl コマンド

デバイスドライバーまたはソフトウェア・パッケージを定義している場合は、Tcl コールバック関数を定義して、ドライバーまたはパッケージを含む BSP が生成されるたびに実行することができます。Tcl コールバック関数を使用すると、ドライバーまたはパッケージの設定を動的に作成できます。この機能は、ドライバーまたはパッケージの設定をハードウェア・コンフィグレーションまたはその他の BSP 設定に合わせてカスタマイズする必要がある場合に不可欠です。

Tcl コールバック・スクリプトは、ドライバーまたはパッケージに関連付けられた *_sw.tcl ファイルから定義および制御されます。*_sw.tcl では、Tcl 関数の取得元、関数の実行時期、各 Tcl 関数の操作のスコープを指定できます。

BSP がドライバーまたはソフトウェア・パッケージで生成されると、コールバック・スクリプトで定義した設定が settings.bsp に挿入されます。

コールバック関数のソースは、set_sw_property コマンドで callback_source_file プロパティーを使用して指定します。

Tcl コールバック関数は、次のいずれかの時点で実行できます。
  • BSP initialization
  • BSP generation
  • BSP validation
注: BSP の初期化時に設定を作成する際に新しい設定の値を指定できますが、初期化と生成の間で設定の値が変わる可能性があります。たとえば、BSP 開発者は BSP Editor で設定を編集できます。
Tcl コールバックは、次のスコープのいずれかで機能します。
  • コンポーネント・クラス
  • コンポーネント・インスタンス

次の表に示すように、set_sw_property コマンドで適切なプロパティーを使用して、各コールバック関数のランタイム環境を指定します。

表 59.  コールバック・プロパティー
set_sw_property で指定されたプロパティー ランタイム 範囲 コールバック引数
initialization_callback Initialization Component instance Component instance name
validation_callback Validation Component instance Component instance name
Generation_callback Generation Component instance
  • Component instance name
  • BSP generate target directory
  • ドライバー BSP サブディレクトリー4
class_initialization_callback Initialization Component class Driver class name
class_validation_callback Validation Component class Driver class name
class_generation_callback Generation Component class
  • Driver class name
  • BSP generate target directory
  • ドライバー BSP サブディレクトリー(1)

Tcl コールバックは、このセクションで説明する特殊なコマンドセットにアクセスできます。さらに、Tcl コールバックは、読み取り専用の BSP 設定 Tcl コマンドを使用できます。

注: BSP 設定 Tcl コマンドの詳細については、BSP 設定の Tcl コマンド の章を参照してください。Tcl コールバックが設定を作成する際、値を指定できます。ただし、コールバックは既存の設定の値を変更できません。
4 ドライバーまたはパッケージファイルがコピーされる BSP サブディレクトリー