Nios® Vエンベデッド・プロセッサー・デザイン・ハンドブック

ID 726952
日付 7/08/2024
Public
ドキュメント目次

5.8.1. MicroC/OS-IIのリソース

このセクションでは、µC/TCP-IP Simple Socket Serverアプリケーションを実装するタスク、キュー、イベントフラグ、およびセマフォーについて説明します。

タスク

次の表に、µC/TCP-IP Simple Socket Serverアプリケーションを実装するμC/OS-IIのタスクを示します。
表 38.  µC/TCP-IP Simple Socket ServerのµC/OS-IIタスク
タスク 詳細
SSSCreateOSDataStructs()

すべてのµC/OS-IIリソースのインスタンスを作成します

SSSCreateTasks()

ネットワーク・サービスを使用しないタスクを初期化します

SSSSimpleSocketServerTask() ソケットサーバー接続を管理し、関連するサブルーチンを呼び出しソケット接続を管理します
LEDManagementTask() SSSLEDCommandQという名前のµC/OS-IIキューから受信するコマンドで駆動するLEDを管理します
LEDLightshowTask() LEDManagementTask() によって有効になった場合に、LEDライトの点灯を管理します

タスク間通信リソース

次のグローバルハンドル (またはポインター) により、µC/OS-IIタスク間通信リソースを作成および操作します。すべてのリソースはシンプル・ソケットサーバーで始まり、ソフトウェア・モジュールで共有されるNios Vシンプル・ソケットサーバーが提供するパブリックリソースを示します。

SSSCreateOSDataStructs() 関数では、これらのリソースを simple_socket_server.c で宣言し、作成します。

  • SSSLEDCommandQ: μC/OS-IIキューで、シンプル・ソケットサーバー・タスク SSSSimpleSocketServerTask() から開発ボードのLEDコントロール・タスク LEDManagementTask() にコマンドを送信します。
  • SSSLEDLightshowSem: µC/OS-IIセマフォーで、LEDLightshowTask() で参照され、その後LEDが更新されます。
  • SSSLEDEventFlag: µC/OS-IIフラグで、LEDの1つに対応します。
注: µC/TCP-IP Simple Socket Serverでは、大文字の頭字語プリフィクスを使用して各ソフトウェア・モジュールのパブリックリソースを識別し、アンダースコア付きの小文字を使用してソフトウェア・モジュール内部で使用するプライベート・リソースまたは関数を示します。

ソフトウェア・モジュールの頭字語識別子を次に示します。

  • SSS: µC/TCP-IP Simple Socket Serverソフトウェア・モジュール
  • LED: LED管理ソフトウェア・モジュール
  • OS: µC/OS-II RTOSソフトウェア・コンポーネント