Nios® Vエンベデッド・プロセッサー・デザイン・ハンドブック

ID 726952
日付 7/08/2024
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ドキュメント目次

4.5.1.2.2. ソフトウェア・デザインフロー

このセクションでは、 Nios® Vプロセッサー・ソフトウェア・プロジェクトを生成およびビルドするソフトウェア・デザインフローを提供します。効率的なビルドフローを実現するには、デザイン・プロジェクトで同様のディレクトリー・ツリーを作成することが推奨されます。次のソフトウェア・デザインフローは、このディレクトリー・ツリーに基づいています。

ソフトウェア・プロジェクトのディレクトリー・ツリーを作成するには、次の手順に従います。
  1. デザイン・プロジェクト・フォルダーに、software というフォルダーを作成します。
  2. software フォルダーに、2つのフォルダー (app および bsp) を作成します。
図 37. ソフトウェア・プロジェクトのディレクトリー・ツリー

BSPプロジェクト・アプリケーションの作成

BSPエディターの設定は、選択している Nios® Vプロセッサーのブートオプションに従い編集する必要があります。

BSP Editorを起動するには、次の手順を行います。

  1. プラットフォーム・デザイナー・ウィンドウで、File > New BSPを選択します。Create New BSP ウィンドウが表示されます。
  2. BSP setting file では、software/bsp フォルダーに移動し、BSPに settings.bsp という名前を付けます。

    BSPパス: <project directory>/software/bsp/settings.bsp

  3. System file (qsys or sopcinfo) には、 Nios® Vプロセッサー・プラットフォーム・デザイナー・システム (.qsys) ファイルを選択します。
    注: Quartus® Primeスタンダード・エディションでは、SOPCINFOファイルを使用してBSPファイルを生成します。詳細は、AN 980: Nios V Processor Intel Quartus Prime Software Support を参照してください。
  4. Quartus project には、Quartusプロジェクト・ファイルを選択します。
  5. Revision には、正しいリビジョンを選択します。
  6. CPU name には、 Nios® Vプロセッサーを選択します。
  7. Operating system には、Altera HAL を選択します。
  8. Create をクリックし、BSPファイルを作成します。
図 38. Create New BSPウィンドウ

BSP EditorのコンフィグレーションとBSPプロジェクトの生成

  1. Main > Settings > Advanced > hal.linker に進みます。
  2. すべての設定をオフの状態にします。
    図 39. hal.linker の設定
  3. BSP EditorBSP Linker Script タブをクリックします。
  4. すべてのLinker Section NameリストにOCRAMまたは外部RAMを設定します。
    図 40. リンカー領域の設定
  5. Generate BSP をクリックします。BSPの生成が成功していることを確認します。
  6. BSP Editor を閉じます。

アプリケーション・プロジェクト・ファイルの生成

  1. software/app フォルダーに移動し、 Nios® Vアプリケーション・ソースコードを作成します。
  2. Nios Vコマンドシェルを起動します。
  3. 次のコマンドを実行し、アプリケーションの CMakeLists.txt を生成します。
niosv-app --app-dir=software/app --bsp-dir=software/bsp \
--srcs=software/app/<Nios V application source code>

アプリケーション・プロジェクトのビルド

アプリケーション・プロジェクトのビルドには、インテルFPGA向け RiscFree* IDE、またはコマンドライン・インターフェイス (CLI) を使用することができます。

CLIを使用する場合は、次のコマンドを使用してユーザー・プロジェクトをビルドすることができます。

cmake -G "Unix Makefiles" -DCMAKE_BUILD_TYPE=Debug \
-B software/app/debug -S software/app 
make -C software/app/debug

アプリケーションの (.elf) ファイルは、software/app/debug フォルダーに作成されます。

HEXファイルの生成

アプリケーションの .elf ファイルから .hex ファイルを生成すると、フラッシュデバイスのプログラミングに適した .jic ファイルを作成することができます。

  1. Nios Vコマンドシェルを起動します。
  2. ブートコピアーを使用して Nios® Vプロセッサー・アプリケーションをQSPIフラッシュからコピーする場合は、次のコマンドラインを使用して、アプリケーションの .hex ファイルを生成します。
  3. GSFI経由のブートローダーの項内、 Nios® Vプロセッサー・コアに向けたGSFI経由のブートローダーの表を参照し、elf2flash コマンドで使用できる適切なGSFI経由のブートローダーについて確認してください。
elf2flash 
  --boot <Intel Quartus Prime installation directory>/
      niosv/components/bootloader/<Bootloader via GSFI>
  --input software/app/debug/<Nios V application>.elf \
  --output flash.srec --reset <reset offset + base address of GSFI AVL MEM> \
  --base <base address of GSFI AVL MEM> \
  --end <end address of GSFI AVL MEM>
riscv32-unknown-elf-objcopy --input-target srec --output-target ihex \
  flash.srec <Nios V application>.hex