インテル® Stratix® 10 LタイルおよびHタイル・トランシーバーPHYユーザーガイド

ID 683621
日付 3/03/2020
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ドキュメント目次

2.5.3.1. 10GBASE-R、IEEE 1588v2に準拠した10GBASE-R、およびKR FEC付き10GBASE-Rバリアント

10GBASE-R PHYは、IEEE 802.3-2008仕様の条項49で定義されているように10.3125 Gbpsのデータレートで動作する、イーサネットに特化した物理層です。インテルStratix 10トランシーバーは、IEEE 1588v2準拠およびKR順方向誤り訂正 (FEC) 付き10GBASE-Rといった10GBASE-Rバリアントを実装できます。

10GBASE-Rパラレル・データ・インターフェイスは、Media Access Control (MAC) とインターフェイス接続する10 Gigabit Media Independent Interface (XGMII) であり、オプションでReconciliation Sub-layer (RS) を有します。

次の10GBASE-Rバリアントは、プリセットから使用可能です。

  • 10GBASE-R
  • 10GBASE-R Low Latency
  • 10GBASE-R 1588
  • 10GBASE-R w/ KR-FEC

ネイティブPHY IPコアからコンフィグレーションする場合には、インテルは、プリセットを使用して適切な10GBASE-Rバリアントを直接的に選択することをお勧めします。

図 121. 10GBASE-R用のトランシーバー・チャネル・データパスおよびクロッキング (PCS-PMAインターフェイス幅 = 32ビット)

IEEE 1588v2に準拠した10GBASE-R

FPGAファブリックへの tx_clkout および rx_clkout の出力クロック周波数は、PCS-PMAインターフェイス幅に基づいています。例えば、PCS-PMAインターフェイスが32ビットの場合、tx_clkout および rx_clkout は10.3125 Gbps/32ビット = 322.265625 MHzビットで実行されます。

IEEE1588v2に準拠した10GBASE-R PHYは、Phase CompensationモードでTX Core FIFOおよびRX Core FIFOの両方を使用します。有効なXGMIIデータは、MAC層とインターフェイス接続する156.25 MHzで実行されています。

IEEE 1588 Precision Time Protocol (PTP) は、10GBASE-R PHY IPをIEEE-1588v2モードでコンフィグレーションするネイティブPHY IPコアのプリセットによってサポートされています。PTPは次に示すようなアプリケーションの、クロックの精密な同期のために使用されます。

  • 通信における分散システム
  • 発電と送電
  • 産業オートメーション
  • ロボット工学
  • データ収集
  • 検査装置
  • 測定

このプロトコルは、イーサネットを含むローカル・エリア・ネットワークにより通信を行うシステムに適用可能です。プロトコルは、各種特有の精度、分解能、安定性のクロックを備える異種システムがグランドマスター・クロックに同期することを可能にします。

図 122. IEEE 1588v2 (PCS-PMAインターフェイス幅 = 32ビット) に準拠した10GBASE-R用のトランシーバー・チャネル・データパスおよびクロッキング

KR-FEC付き10GBASE-R

インテルStratix 10の10GBASE-RはオプションのFECバリアントを有しており、これは10GBASE-KR PHYも対象としています。このオプションは、69項で定義されている、リンク範囲の向上をもたらすコーディング、および広範なセットのバックプレーン・チャネルでのBER性能を提供します。これは、生産時や環境上の条件の変動に対応するための付加的なマージンを提供します。追加されるTX FECサブレイヤーは以下を行います。

  • TX PCSからのデータの受信
  • 64b/66bワードのトランスコード
  • エンコーディングやフレーミングの実行
  • FECデータのスクランブルおよびPMAへの送信

RX FECサブレイヤーは以下を行います。

  • PMAからのデータの受信
  • デスクランブリングの実行
  • FECフレーミングの同期
  • 必要かつ可能な場合でのデータのデコードおよび訂正
  • 64b/66bワードのリコードおよび、そのデータのPCSへの送信

KR FEC付き10GBASE-Rプロトコルは、10GBASE-R物理層のPCSサブレイヤーとPMAサブレイヤーの間に配置されたKR FECサブレイヤーです。

図 123. KR FEC (PCS-PMAインターフェイス幅 = 64ビット) 付き10GBASE-R用のトランシーバー・チャネル・データパスおよびクロッキング

CMU PLLまたはATX PLLは、TX高速シリアルクロックを生成します。

図 124. FEC付き10GBASE-Rサポート対応のクロック生成および分配64ビットのPCS-PMAインターフェイス幅を使用する例を示します。