インテル® Stratix® 10 LタイルおよびHタイル・トランシーバーPHYユーザーガイド

ID 683621
日付 3/03/2020
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ドキュメント目次

5.2.1.9. KR FECブロック

Enhanced PCSのKR FECブロックは、IEEE 802.3仕様の10G-KRFECおよび40G-KRFECに従ってデザインされています。KR FECは、PCSサブレイヤーとPMAサブレイヤーの間のサブレイヤーであるForward Error Correction (FEC) サブレイヤーを実装します。

Ethernetなど、ほとんどのデータ転送システムはビット・エラー・レート (BER) の最小要件を有します。ただし、チャネルの歪みやチャネル内のノイズによって必要なBERが達成できないこともあります。このような場合、順方向誤り制御訂正を追加することにより、システムのBER性能を向上させることができます。

FECサブレイヤーはオプションであり、バイパスすることができます。FECサブレイヤーを使用すると、製造や環境条件におけるバリエーションを可能にする追加のマージンを提供することができます。FECは以下の事項を達成することができます。

  • 10GBASE-R/KRおよび40GBASE-R/KRプロトコルの順方向誤り訂正メカニズムのサポート
  • Ethernet MACの動作の全二重モードのサポート
  • 10GBASE-R/KRおよび40GBASE-R/KRプロトコル向けに定義されるPCS、PMA、およびPhysical Medium Dependent (PMD) サブレイヤーのサポート

KR FECを使用すると、システムのBER性能を向上させることができます。

トランスコード・エンコーダー

KR順方向誤り訂正 (KR FEC) のトランスコード・エンコーダー・ブロックは、トランスコード・ビットを生成することによって65ビットのトランスコーダー・ファンクションに64B/66Bを実行します。トランスコード・ビットは、2ビットの同期ヘッダー (S0とS1) および64ビットのペイロード (D0、D1、…、D63) で構成される64B/66Bエンコーダーの後の、66ビットの組み合わせから生成されます。DCバランスされたパターンを確実にするために、トランスコード・ワードは2番目の同期ビットS1およびペイロードビットD8上でXOR機能を実行することによって生成されます。トランスコード・ビットはトランスコード・エンコーダーの65ビットパターン出力のLSBになります。

図 198. トランスコード・エンコーダー

KR FECエンコーダー

FEC (2112、2080) は、IEEE 802.3仕様のClause 74で指定されているFECコードです。このコードは短縮サイクルコード (2112、2080) です。2080メッセージビットの各ブロックでは、合計2112ビットを形成するために、エンコーダーによって別の32個のパリティーチェックが生成されます。ジェネレーターの多項式は以下のようになります。

g(x) = x32 + x23 + x21 + x11 + x2 +1

KR FECスクランブラー

KR FECスクランブラー・ブロックは、レシーバーでFECブロック同期を確立し、DCバランスを確保するために必要な生成多項式、x58 + x39 +1に基づいてスクランブルを実行します。

KR FEC TXギアボックス

KR FEC TXギアボックスは、65ビットの入力ワードを64ビットの出力ワードに変換し、KR FECエンコーダーをPMAとインターフェイス接続します。このギアボックスはEnhanced PCSで使用されるTXギアボックスとは異なります。KR FEC TXギアボックスは、FECブロックにアライメントします。エンコーダー出力 (また、スクランブラー出力) が特有のワード・サイズ・パターンを有しているため、ギアボックスは、こうしたパターンを処理するために特別にデザインされています。