インテル® Stratix® 10 LタイルおよびHタイル・トランシーバーPHYユーザーガイド

ID 683621
日付 3/03/2020
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ドキュメント目次

3.11.3. PLLカスケード接続の実装

PLLのカスケード接続では、最初のPLL出力が2番目のPLLへの入力リファレンス・クロックを供給します。

例えば、入力リファレンス・クロックの周波数が固定されており、意図するデータレートが入力リファレンス・クロックの整数倍でない場合、正確なリファレンス・クロック周波数の生成に1つ目のPLLを使用することができます。この出力は、2番目のPLLへの入力リファレンス・クロックとして供給されます。2番目のPLLは、意図するデータレートに必要なクロック周波数を生成します。

インテルStratix 10デバイスのトランシーバーは、fPLLからfPLLおよびATX PLLからfPLLへのカスケード接続をサポートしています。最初のPLL (カスケードソース) および2番目のPLL (ダウンストリームPLL) は、同じ24チャネルタイルにある必要があります。OTNおよびSDIアプリケーションの場合、ATX PLLをfPLLにカスケード接続するための専用クロックパスがあります。

注: fPLLをカスケード接続されたfPLL (ダウンストリームfPLL) として使用する場合は、fPLLのユーザー・リキャリブレーションが必要です。詳細については、ユーザー・リキャリブレーションの項を参照してください。
図 165. PLLのカスケード接続

fPLL間のカスケード接続の実装手順

  1. fPLL IPコアをインスタンス化します。
  2. Parameter EditorでfPLL IPコアに対し、以下のコンフィグレーション・セッティングを設定します。
    • fPLL ModeCascade Sourceに設定します。
    • Desired output clock frequencyを設定します。
  3. fPLL IPコア (PLLカスケード・コンフィグレーションの2番目のPLL) をインスタンス化します。詳細な手順については、fPLL IPコアのインスタンス化を参照してください。
  4. 設定したいデータレートおよびリファレンス・クロック周波数に2番目のfPLL IPコアをコンフィグレーションします。2番目のfPLLのリファレンス・クロック周波数を、最初のfPLLの出力周波数と等しくなるように設定します。
  5. 上記の図に示すように、fPLL IPコア (カスケードソース) をfPLL IPコア (トランシーバーPLL) に接続します。次の接続を確認してください。
    • fPLLには出力ポート pll_cascade_clk があります。このポートを2番目のfPLLの pll_refclk0 ポートに接続します。
  6. デバイスのパワーアップ時に入力リファレンス・クロックが使用可能な場合、パワーアップ時のキャリブレーション中に最初のPLLがキャリブレーションされます。2番目のPLLをリキャリブレーションする必要があります。デバイスのパワーアップ時に入力リファレンス・クロックが使用できない場合、最初のPLLのキャリブレーションを再実行します。最初のPLLが適切にキャリブレーションされた後、2番目のPLLをリキャリブレーションします。

注:

  • ネイティブPHYインスタンスに特別なコンフィグレーションは必要ありません。
  • OTNおよびSDIジッター要件に対処するためにATX PLL-fPLLカスケードモードが追加されています。このモードでは、ATX PLLはフラクショナル・モードで比較的に高く、そしてクリーンなリファレンス周波数を生成します。このリファレンスが整数モードで動作しているfPLLを駆動します。カスケード接続された2つのPLLは全体で、任意のデータレートに対し必要な周波数を合成します。
  • このコンフィグレーションを使用して、単一のPLLでは生成できないクロック周波数を生成できます。これは、OTN/SDIアプリケーションで最も一般的に使用されます。