インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
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ドキュメント目次

5.1.2.1.6. デシジョン・フィードバック・イコライゼーション (DFE)

DFE は、ノイズを増加させることなく信号の高周波数コンポーネントを増幅します。また、DFE はシンボル間干渉 (ISI) を補償します。現在のビットから以前に受信したビットの加重バージョンを加算あるいは減算することにより、DFE はポストカーソルISI を最小化します。DFE はTX プリエンファシスとダウンストリームRX CTLE に同期して動作します。これによりRX CDR をイネーブルし、ノイズと損失の多いバックプレーンを介して送信された正しいデータを受信します。

CTLE と比較した場合のDFE の利点は、SNR (Signal to Noise Ratio) を向上させることにあります。DFE はノイズ電力を増加させることなく、高周波数コンポーネントの電力を増幅します。

図 224. 信号のISI


DFE 回路はデータの遅延バージョンを格納します。格納されたビットは、係数で乗算された後に受信信号に加算されます。各係数の極性はプログラム可能です。

DFE アーキテクチャーは、11 個の固定タップをサポートします。

11 個の固定タップは、現在のビットから始まる次の11 ビットからISI を削除することができるDFE に変換されます。

図 225. チャネルパルス応答


注: チャネルの出力におけるパルスは、長い減衰テイルを示しています。周波数依存の損失と品質劣化は他の信号に影響します。
以下はDFE でサポートされているモードです。
  • Disabled モード:
    • DFE のDisabled モードは、DFE タップの値がすべて0 に設定される以外はDFE のManual モードと類似します。DFE タップ値はAssignment Editor/.qsf もしくはAvalon MM インターフェイスを使用して設定することができます。
  • Manual モード:
    • このモードでは、マニュアルのDFE タップ値はAssignment Editor/.qsf もしくはAvalon MM インターフェイスを使用して設定することができます。
  • Adaptation Enabled モード:
    • この適応モードでは、DFE タップ値はアダプティブ・パラメトリック・チューニング・エンジンによって制御されます。このモードでは、アダプティブ・パラメトリック・チューニング・エンジンによって提供される収束したDFE タップ値が使用されます。