インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
Public
ドキュメント目次

2.7.2.1.7. Gen1 およびGen2 のクロック補償

PIPE 0 ppm

PIPE 仕様に則って、Arria 10 レシーバーチャネルは、アップストリームのトランスミッタ・クロックとローカル・レシーバー・クロックとの間で最大±300 ppm までのクロック周波数の小さな差を補償するために、レートマッチFIFO を備えています。

PIPE クロックの補償にあたり、以下のガイドラインについて考慮します。

  • SKP オーダーセットでSKP シンボルを1 つ挿入または削除する
  • 削除後にSKP オーダーセットのSKP シンボル数に最小限度が課せられる。削除後にオーダーセットが空のCOM ケースを有することがある
  • 挿入後にSKP オーダーセットのSKP シンボル数に最大限度が課せられる。挿入後にオーダーセットが5 つ以上のシンボルを有することがある
  • INSERT/DELETE ケースでは、挿入または削除が発生したSKP オーダーセットのCOM シンボルにフラグステータスが生じる
  • FULL/EMPTY ケースでは、キャラクターが挿入または削除された箇所にフラグステータスが生じる
    注: PIPE インターフェイスがオンであれば、これがフラグの値を適切なpipe_rx_status 信号に変換します。
  • PIPE モードは同期システムで使用できる「0 ppm」コンフィグレーション・オプションも有する。このコンフィグレーションでは、レートマッチFIFO ブロックによるクロック補償は想定されていないが、レイテンシーは最小限に抑えられる。
図 92. レートマッチ削除以下の図に、2 つの/K28.0/ SKP シンボルを削除する必要があるケースのレートマッチ削除の例を示します。受信したSKP オーダーセット1 つにつき、1 つのみの/K28.0/ SKP シンボルが削除されます。


図 93. レートマッチ挿入以下の図に、2 つのSKP シンボルを挿入する必要があるケースのレートマッチ挿入の例を示します。受信したSKP オーダーセット1 つにつき1 つのみの/K28.0/ SKP シンボルが挿入されます。
図 94. レートマッチFIFO のフルPIPE モードのレートマッチFIFO は、FIFO がフルになる原因となったデータバイトを自動的に削除し、後続のデータバイトと同期的にpipe_rx_status[2:0] = 3'b101 を駆動します。以下の図に、PIPE モードでのレートマッチFIFO のフル状態を示します。レートマッチFIFO はデータバイトD4 を受信した後でフルになります。


図 95. レートマッチFIFO の空レートマッチFIFO は、FIFO が空になる原因となったデータバイトの後に/K30.7/ (9’h1FE) を自動的に挿入し、挿入した/K30.7/ (9’h1FE) と同期的に pipe_rx_status[2:0] = 3'b110 を駆動します。以下の図に、PIPE モードでのレートマッチFIFO の空の状態を示します。レートマッチFIFO はデータバイトD3 を読み出した後で空になります。


PIPE モードは同期システムで使用できる「0 ppm」コンフィグレーション・オプションも有しています。このコンフィグレーションではレートマッチFIFO ブロックによるクロック補償は想定されていませんが、レイテンシーは最小限に抑えられます。