インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
Public
ドキュメント目次

3.1.3. fPLL

各トランシーバー・バンク内に6 チャネルを備えた2 つのfPLL (それぞれバンクのトップとボトムに位置する) があります。3 チャネル付のトランシーバー・バンクはfPLL を1 つだけ備えています。

図 169. fPLL ブロック図


コアモードでは、fPLL が入力リファレンス・クロックに固定された周波数および位相関係を持つ出力クロックを生成するには、Enable phase alignment オプションが選択される必要があります。フラクショナル周波数モードでは、fPLL は1 Gbps から12.5 Gbps までのデータレートをサポートします。

入力リファレンス・クロック

これは、PLL 専用の入力リファレンス・クロックソースです。

入力リファレンス・クロックは、次のいずれかから供給されます。

  • 専用のリファレンス・クロックピン
  • リファレンス・クロック・ネットワーク
  • レシーバー入力ピン
  • PLL カスケード接続された別のPLL の出力
  • グローバルクロックまたはコアクロック・ネットワーク
入力リファレンス・クロックは、差動信号です。インテルは、最高のジッター性能を得るには入力リファレンス・クロックソースとして専用のリファレンス・クロックピンを使用することを推奨しています。正常なPLL 動作を実行するには、デバイス起動時に入力リファレンス・クロックが安定し、かつフリーランニングである必要があります。デバイス起動時にリファレンス・クロックが使用できない場合は、リファレンス・クロックが使用可能になった時点でPLL をリキャリブレーションする必要があります。
注: fPLL キャリブレーションは、CLKUSR クロックによってクロッキングされますが、キャリブレーションを続行するにはCLKUSR クロックが安定しており使用できる状態でなければいけません。PLL キャリブレーションおよびCLKUSR クロックの詳細については の項を参照してください。

リファレンス・クロック・マルチプレクサー

refclk マルチプレクサーは、利用可能なさまざまなリファレンス・クロックソースからPLL へのリファレンス・クロックを選択します。

N カウンター

N カウンターは、リファレンス・クロック (refclk) マルチプレクサーの出力を分周します。 N カウンターを分割することは、ループ帯域幅が減少し、位相周波数検出器 (PFD) の動作範囲内の周波数を低減させる一助となります。N カウンターは1 から32 分周係数をサポートしています。

位相周波数検出器

N カウンターブロックの出力部におけるリファレンス・クロック(refclk) 信号とM カウンターブロックの出力部におけるフィードバック・クロック(fbclk) 信号は、PFD への入力として供給されます。PFD の出力は、refclk 入力とfbclk 入力の位相差に比例します。PFD は、fbclk 信号をrefclk 信号にアライメントします。リファレンス・クロックの立ち下がりエッジがフィードバック・クロックの立ち下がりエッジの前に発生したとき、PFD は「Up」信号を生成します。逆に、フィードバック・クロックの立ち下がりエッジがリファレンス・クロックの立ち下がりエッジの前に発生した場合には、PFD は「Down」信号を生成します。

チャージポンプおよびループフィルター (CP + LF)

PFD 出力は、VCO の制御電圧を生成するチャージポンプとループフィルターにより使用されます。チャージポンプは、PFD からの「Up」または「Down」パルスを電流パルスに変換します。電流パルスは、ロー・パス・フィルターを介してVCO 周波数をドライブする制御電圧にフィルターされます。

電圧制御オシレーター

fPLL は、リング・オシレーター・ベースのVCO を有します。 VCO は、入力制御電圧を調整可能な周波数のクロックに変換します。

VCO freq = 2 * M * 入力リファレンス・クロック/N です (N はN カウンター分周係数で、M はM カウンター分周係数です)。

L カウンター

L カウンターはVCO のクロック出力を分周します。 fPLL が送信PLL として動作する場合、L カウンターの出力はx1 クロックラインを介してCGB (クロック生成ブロック) とTX PMA をドライブします。

M カウンター

デルタシグマ変調器

C カウンター

fPLL C カウンターの分周係数の範囲は1 ~ 512 です。

ダイナミック位相シフト

ダイナミック位相シフトブロックを使用すれば、ユーザーモードでC カウンターの位相を調整することができます。フラクショナル・モードでは、ダイナミック位相シフトは、C カウンターでのみ使用できます。

レイテンシー

C カウンターは、任意のVCO の位相と最大128 クロックサイクルの遅延を選択するように構成することができます。選択されたVCO の位相を動的に変更することができます。