インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
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ドキュメント目次

6.11.1. トランスミッタPLL の切り替え

データレートを動的に切り替えることで、複数のプロトコルをサポートするシステムの柔軟性を向上させることができます。トランシーバー・チャネルのデータレートは、1 つのトランスミッタPLL から別のトランスミッタPLL へ切り替えることよって変更することができます。 トランスミッタPLL 間で切り替えを実行するには、チャネル・リコンフィグレーションを実行し、チャネルのローカルCGB MUX 選択ラインをリコンフィグレーションする必要があります。トランシーバー・チャネルは、最大4 つの異なるトランスミッタPLL でクロックすることができます。また、トランシーバー・チャネルを駆動するPLL を指定するために、Native PHY IP コアでリコンフィグレーション・インターフェイスを使用することができます。PLL の切り替え方法は、関連するトランスミッタPLL の数に関わらず同じです。

PLL の切り替えを開始する前に、トランシーバー・ネイティブPHY インスタンスが複数のトランスミッタPLL 入力を定義していることを確認してください。トランシーバー・ネイティブPHY をパラメーター化する際に、TX PMA タブでNumber of TX PLL clock inputs per channel パラメーターを指定します。

以下の表は、トランスミッタPLL の切り替えに関するアドレスとビットを示しています。公開されるtx_serial_clk ビットの個数は、指定するトランスミッタPLL の個数により異なります。この操作にはネイティブPHY リコンフィグレーション・インターフェイスを使用します。

表 263.  トランスミッタPLL の切り替えに使用するレジスターマップ
トランシーバー・ネイティブPHY ポート 説明 アドレス ビット
tx_serial_clk0 論理PLL0 を表します。ルックアップ・レジスターx117[3:0]は、論理PLL0 から物理PLL へのマッピングを格納します。 0x117 (ルックアップ・レジスター) [3:0]
tx_serial_clk1 論理PLL1 を表します。ルックアップ・レジスターx117[7:4]は、論理PLL1 から物理PLL へのマッピングを格納します。 0x117 (ルックアップ・レジスター) [7:4]
tx_serial_clk2 論理PLL2 を表します。ルックアップ・レジスターx118[3:0]は、論理PLL2 から物理PLL へのマッピングを格納します。 0x118 (ルックアップ・レジスター) [3:0]
tx_serial_clk3 論理PLL3 を表します。ルックアップ・レジスターx118[7:4]は、論理PLL3 から物理PLL へのマッピングを格納します。 0x118 (ルックアップ・レジスター) [7:4]
N/A PLL セレクションMUX 0x111 [7:0]

PLL の切り替えを実行する際、切り替えの対象となるアドレスおよびビットの値を指定する必要があります。以下に示す手順は、複数のPLL が1 つのチャネルに接続されている場合のトランスミッタPLL の選択について説明しています。CDR のデータレートを変更するには、チャネルおよびPLL ブロックのリコンフィグレーションについての手順に従ってください。切り替えの対象となる論理PLL を決定した後、以下の手順に従い希望のトランスミッタPLL への切り替えを実行します。

  1. ダイナミック・リコンフィグレーションの実行手順の手順1 から7 の必要な手順を実行します。
  2. 適切なルックアップ・レジスター・アドレス (表 263を参照) を読み出し、必要となる4 ビット・パターンを保存します。たとえば、論理PLL1 への切り替えにはアドレス0x117 のビット[7:4]を保存する必要があります。
  3. 以下の表に基づいて、手順1 で読み出した4 ビットの値を8 ビットの値にエンコードします。
    表 264.  論理PLL エンコーディング
    4 ビット論理PLL ビット アドレス0x111 への8 ビット・マッピング
    [3..0] {~logical_PLL_OFFset_readdata[3],logical_PLL_OFFset_readdata[1:0],logical_PLL_OFFset_readdata[3], logical_PLL_OFFset_readdata[3:0] }
    [7..4] {~logical_PLL_OFFset_readdata[7], logical_PLL_OFFset_readdata[5:4],logical_PLL_OFFset_readdata[7],logical_PLL_OFFset_readdata[7:4] }
    注:

    たとえば、論理PLL1 にリコンフィグレーションする場合、ビット[7:4]は8 ビット値の{~bit[7], bit[5:4], bit[7], bit[7:4]}にエンコードされます。

  4. エンコードされた8 ビット値を使用して、アドレス0x111 のビット[7:0]にRead-Modify-Write を実行します。
  5. ダイナミック・リコンフィグレーションの実行手順の手順9 から12 の必要な手順を実行します。