インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
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ドキュメント目次

3.11.3. PLL カスケード接続の実装

PLL のカスケード接続では、1 つ目のPLL 出力が2 つ目のPLL への入力リファレンス・クロックを供給します。

たとえば、入力リファレンス・クロックの周波数が固定されており、意図するデータレートが入力リファレンス・クロックの整数倍でない場合、正確なリファレンス・クロック周波数の生成に1 つ目のPLL を使用することができます。この出力は、2 つ目のPLL への入力リファレンス・クロックとして供給されます。2 つ目のPLL は、意図するデータレートに必要なクロック周波数を生成します。

Arria® 10 デバイスのトランシーバーは、fPLL 間のカスケード接続をサポートしています。OTN およびSDI アプリケーションでは、Arria 10 プロダクション・シリコンでATX PLL をfPLL にカスケード接続するための専用クロックパスがあります。カスケーディング・チェーンでは最大2 つのPLL のみがサポートされます。
注: fPLL をカスケード接続されたfPLL (ダウンストリームfPLL) として使用する場合は、fPLL のユーザー・リキャリブレーションが必要です。詳細については、「キャリブレーション」の章で「ユーザー・リキャリブレーション」の項を参照してください。
図 195. PLL のカスケード接続

fPLL 間のカスケード接続の実装手順

  1. fPLL IP コアをインスタンス化します。詳細な手順については、fPLL IP コアのインスタンス化を参照してください。
  2. Parameter EditorでfPLL IP コアに対し以下のコンフィグレーション・セッティングを設定します。
    • fPLL ModeCascade Source に設定します。
    • Desired output clock frequency を設定します。
  3. fPLL IP コア (PLL カスケード・コンフィグレーションの2 番目のPLL) をインスタンス化します。詳細な手順については、fPLL IP コアのインスタンス化を参照してください。
  4. 設定したいデータレートとリファレンス・クロック周波数に2 番目のfPLL IP コアをコンフィグレーションします。2 番目のfPLL のリファレンス・クロックの周波数を、最初のfPLL の出力周波数と等しくなるように設定します。
  5. 上記の図に示すように、fPLL IP コア (カスケードソース) をfPLL IP コア (トランシーバーPLL) に接続します。次の接続を確認してください。
    • fPLL に出力ポートhssi_pll_cascade_clk があります。このポートを2 番目のfPLL のpll_refclk0 ポートに接続します。
  6. 送信元 (アップストリーム) のfPLL 帯域幅をLowに設定し、宛先 (ダウンストリーム) fPLL 帯域幅をLowに設定します。
  7. デバイスの電源投入時に入力リファレンス・クロックが使用可能な場合、パワーアップのキャリブレーション中に最初のPLL がキャリブレーションされます。2 番目のPLL は、リキャリブレーションする必要があります。ユーザー・リキャリブレーションの項を参照してください。入力リファレンス・クロックは、デバイスの電源投入時に使用できない場合、最初のPLL のためのキャリブレーションを再実行します。最初のPLL がキャリブレーションされた後、2 番目のPLL をリキャリブレーションします。

備考:

  • ネイティブPHY インスタンスに特別な設定は必要ありません。
  • OTN およびSDI ジッター要件に対処するためにATX PLL-fPLL カスケードモードが追加されています。このモードでは、ATX PLL はフラクショナル・モードで比較的に高く、そしてクリーンな基準周波数を生成します。この基準が整数モードで動作しているfPLL をドライブします。カスケード接続された2 つのPLL は全体で、任意のデータレートに対し必要な周波数を合成します。