インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
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ドキュメント目次

3.9.1.2. PLL フィードバック補償ボンディング

PLL フィードバック補償ボンディングでは、チャネルは、3 チャネルまたは6 チャネルのトランシーバー・バンクとの物理的な位置に基づいて、結合したグループに分割されます。同じ6 チャネル・トランシーバー・バンク内のすべてのチャネルは、同じ結合したグループに割り当てられます。

PLL フィードバック補償ボンディングでは、結合されたグループはそれぞれ、独自に組み合わせられた高速シリアルおよび低速パラレルクロックによってドライブされます。結合されたグループはそれぞれ、独自のPLL とマスターCGB を持っています。同じ位相関係を維持するために、異なるグループのPLL とマスターCGB は、同じリファレンス・クロックを共有します。

以下の手順は、PLL フィードバック補償ボンディングのプロセスを説明します。
  1. 同じ入力リファレンス・クロックは、3 チャネルまたは6 チャネルを持つ各トランシーバー・バンクでローカルPLL をドライブします。
  2. ボンディング・グループのローカルPLL はマスターCGB をドライブします。
  3. マスターCGB はx6 クロック・ネットワークを経由してボンディング・グループ内のトランシーバー・チャネルをドライブします。
  4. マスターCGB のパラレル出力は、PLL へのフィードバック入力です。
  5. このモードでは、すべてのチャネルは同一の入力リファレンス・クロックの位相に揃えられます。

PLL フィードバック補償ボンディングをx6/xN ボンディング・モードと比較した際のメリット

  • データレートに制限はなく、PLL フィードバック補償ボンディングに使用されるx6 クロック・ネットワークは使用するデバイスの最大データレートで実行可能です。
  • チャネルスパンに制限はなく、PLL フィードバック補償を使用してデバイスの側面全体が接合可能です。

PLL フィードバック補償ボンディングをx6/xN ボンディング・モードと比較した際のデメリット

  • PLL フィードバック補償ボンディングは、x6/xN ボンディングに比べより多くのリソースを使用します。トランシーバー・バンクごとに1 つのPLL と1 つのマスターCGB が使用されるため、x6/xN ボンディングよりも多く電力が消費されます。
  • x6/xN ボンディングに比べてスキューが大きくなります。各トランシーバー・バンク間のリファレンス・クロック・スキューは、x6/xN ボンディングのxN クロック・ネットワークによるスキューよりも大きくなります。
  • PLL のフィードバック・クロックはPLL からではなくマスターCGB から送られるので、PLL フィードバック補償ボンディング・モードはリファレンス・クロックに制限があります。PLL のN カウンター (リファレンス・クロック分周器) がバイパスされるので、任意のデータレートに対し有効なリファレンス・クロック周波数は1 つだけになります。
  • フィードバック補償ボンディングは、整数モードのみをサポートします。
注: PLL フィードバック補償ボンディングのリファレンス・クロック・スキューを最小化するためには、結合されたグループの中央付近にあるリファレンス・クロック入力を使用します。

x6/xN ボンディングをPLL フィードバック補償ボンディングと比較した際のメリット

  • x6/xN は、PLL フィードバック補償ボンディングに比べて消費するリソースは少なくなります。結合されたグループ内のすべてのチャネルを駆動するには、1 つのPLL と1 つのマスターCGB のみが必要です。
  • x6/xN は、PLL フィードバック補償ボンディングに比べてスキューは少なくなります。