インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
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ドキュメント目次

2.6.1.4. GbE のレートマッチFIFO

レートマッチFIFO は、アップストリームのトランスミッタとローカル・レシーバー・リファレンス・クロックとの間のppm (Part-Per-Million) での周波数の違いを、最高125 MHz ± 100 ppm 差まで補償します。
注: (125 MHz + 100 ppm) - (125 MHz - 100 ppm) = 200 ppm と計算した場合にのみ合計が200 ppm になります。一方、 (125 MHz + 0 ppm) - (125 MHz - 200 ppm) は仕様に含まれません。

IEEE 802.3-2008 仕様に記載された規則に従って、GbE プロトコルでは、トランスミッタがパケット間ギャップ (IPG) 中にアイドル・オーダ・セット/I1/ (/K28.5/D5.6/) および/I2/ (/K28.5/D16.2/) を送信することが要求されます。

レートマッチ動作は、ワードアライナー内の同期ステートマシンがrx_syncstatus 信号をHigh に駆動することによって同期を得られたことを示した後に開始します。レートマッチャは/I2/ オーダーセットのシンボル/K28.5/ と/D16.2/ の両方を動作のペアとして削除または挿入し、レートマッチFIFO のオーバーフローやアンダーフローを防ぎます。レートマッチ動作では、/I2/ オーダーセットを必要なだけ挿入または削除することができます。

次の図に、3 つのシンボルを削除する必要があるレートマッチの削除動作の例を示します。レートマッチFIFO が削除できるのは/I2/ オーダーセットのみであるため、これは2 つの/I2/ オーダーセットを削除します (4 つのシンボルが削除されます)。

図 48. レートマッチFIFO での削除


次の図に、1 つのシンボルを挿入する必要がある場合のレートマッチFIFO の挿入の例を示します。レートマッチFIFO が挿入できるのは/I2/ オーダーセットのみであるため、これは1 つの/I2/ オーダーセットを挿入します (2 つのシンボルが挿入されます)。

図 49. レートマッチFIFO での挿入


rx_std_rmfifo_fullrx_std_rmfifo_empty がFPGA ファブリックに送られ、レートマッチFIFO のフルおよび空の状態を示します。

レートマッチFIFO は、FIFO フル状態を解消するためのコードグループの削除を行いません。リカバリークロックで少なくとも2 サイクルrx_std_rmfifo_full フラグをアサートし、レートマッチFIFO フルを示します。次の図に、書き込みポインターが読み出しポインターよりも早い場合の、レートマッチFIFO がフルの状態を示します。

図 50. レートマッチFIFO がフルの状態


レートマッチFIFO は、FIFO が空である状態を解消するためのコードグループの挿入を行いません。リカバリークロックで少なくとも2 サイクルrx_std_rmfifo_empty フラグをアサートし、レートマッチFIFO が空であることを示します。以下の図に、読み出しポインターが書き込みポインターよりも早い場合の、レートマッチFIFO が空の状態を示します。

図 51. レートマッチFIFO が空の状態


レートマッチFIFO がフルおよび空の状態の場合には、rx_digitalreset 信号をアサートし、レシーバーPCS ブロックをリセットする必要があります。