インテル® Arria® 10 トランシーバーPHY ユーザーガイド

ID 683617
日付 4/20/2017
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ドキュメント目次

2.4.5. Standard PCS パラメーター

この項では、標準PCS をカスタマイズするために指定できるパラメーターについて説明します。

プロトコル向けの標準PCS のコンフィグレーションについての具体的な情報は、このユーザーガイドでこれらのプロトコルのサポートについて説明している項を参照してください。

表 30.  Standard PCS パラメーター
注: イネーブルもしくはディスエーブルにできるオプショナルのポートについて詳しくは、標準PCS ポートの項を参照してください。
パラメーター 範囲 説明
Standard PCS/PMA interface width

8、 10、 16、 20

標準PCS とトランシーバーPMA の間のデータ・インターフェイス幅を指定します。
FPGA fabric / Standard TX PCS interface width 8、10、16、20、32、40 FPGA ファブリックからTX PCS へのインターフェイス幅を示します。この値は、標準TX PCS データパス内のそれぞれのブロックの現在のコンフィグレーションによって決定します。
FPGA fabric / Standard RX PCS interface width 8、10、16、20、32、40 FPGA ファブリックからRX PCS へのインターフェイス幅を示します。この値は、標準RX PCS データパス内のそれぞれのブロックの現在のコンフィグレーションによって決定します。
Enable Standard PCS low latency mode On / Off 標準PCS 向けに低レイテンシー・パスをイネーブルします。標準PCS 内の一部の機能ブロックは、最小のレイテンシーを提供するためにバイパスされます。Transceiver configuration rulesBasic/Custom w/Rate Match (Standard PCS) を指定している際には、このパラメーターをオンにできません。
表 31.  Standard PCS FIFO パラメーター
パラメーター 範囲 説明
TX FIFO mode

low_latency

register_fifo

fast_register

標準PCS のTX FIFO モードを指定します。以下のモードが使用可能です。
  • low_latency:このモードは、TX データパスに2~3 サイクルのレイテンシーを追加します。
  • register_fifo:このモードでは、PCS を通過するレイテンシーを削減するためにFIFO はレジスターに置き換えられます。このモードは、CPRI のような確定的レイテンシーを必要とするプロトコル向けに使用します。
  • fast_register:このモードは、より高いレイテンシーを負担しながら、FPGA ファブリックとTX PCS との間により高い最大周波数 (fMAX) を可能にします。
RX FIFO mode

low_latency

register_fifo

以下のモードが使用可能です。
  • low_latency:このモードは、RX データパスに2~3 サイクルのレイテンシーを追加します。
  • register_fifo:このモードでは、PCS を通過するレイテンシーを削減するためにFIFO はレジスターに置き換えられます。このモードは、CPRI や1588 といった、確定的レイテンシーを必要とするプロトコル向けに使用します。
Enable tx_std_pcfifo_full port On/Off tx_std_pcfifo_full ポートをイネーブルします。この信号は、標準TX 位相補償FIFO がフルになったことを示します。この信号はtx_coreclkin と同期しています。
Enable tx_std_pcfifo_empty port On/Off tx_std_pcfifo_empty ポートをイネーブルします。この信号は、標準TX 位相補償FIFO が空になったことを示します。この信号はtx_coreclkin と同期しています。
Enable rx_std_pcfifo_full port On/Off rx_std_pcfifo_full ポートをイネーブルします。この信号は、標準RX 位相補償FIFO がフルになったことを示します。この信号はrx_coreclkin と同期しています。
Enable rx_std_pcfifo_empty port On/Off rx_std_pcfifo_empty ポートをイネーブルします。この信号は、標準RX 位相補償FIFO が空になったことを示します。この信号はrx_coreclkin と同期しています。
表 32.  Byte Serializer and Deserializer パラメーター
パラメーター 範囲 説明
Enable TX byte serializer

Disabled

Serialize x2

Serialize x4

標準PCS のTX バイト・シリアライザー・モードを指定します。トランシーバー・アーキテクチャーでは、標準PCS はPMA シリアライザーのデータ幅の2 倍または4 倍で動作することができます。バイト・シリアライザーを使用することにより、PCS はより広いFPGA インターフェイス幅に対応するためにより低い内部クロック周波数で動作可能になります。Serialize x4 はPCIe* プロトコル実装にのみ適用できます。
Enable RX byte deserializer

Disabled

Deserialize x2

Deserialize x4

標準PCS のRX バイト・デシリアライザーのモードを指定します。トランシーバー・アーキテクチャーでは、標準PCS はPMA デシリアライザーのデータ幅の2 倍または4 倍で動作することができます。バイト・デシリアライザーを使用することにより、PCS はより広いFPGA インターフェイス幅に対応するためにより低い内部クロック周波数で動作可能になります。Deserialize x4 はPCIe プロトコル実装にのみ適用できます。
表 33.  8B/10B Encoder and Decoder パラメーター
パラメーター 範囲 説明
Enable TX 8B/10B encoder On/Off このオプションをオンにすると、標準PCS がTX 8B/10B エンコーダーをイネーブルします。
Enable TX 8B/10B disparity control On/Off このオプションをオンにすると、標準PCS に8B/10B エンコーダーのディスパリティー・コントロールが含まれます。tx_forcedisp コントロール信号を使用して、8B/10B エンコーダーのディスパリティーを強制することができます。
Enable RX 8B/10B decoder On/Off このオプションをオンにすると、標準PCS に8B/10B デコーダーが含まれます。
表 34.  Rate Match FIFO パラメーター
パラメーター 範囲 説明
RX rate match FIFO mode

Disabled

Basic 10-bit PMA width

Basic 20-bit PMA width

GbE

PIPE

PIPE 0 ppm

標準PCS のRX レートマッチFIFO の動作を指定します。

Basic (Single Width) モードでのレートマッチFIFO

Basic (Double Width) モードでのレートマッチFIFO

GbE のレートマッチFIFO

PIPE 向けトランシーバー・チャネルのデータパス

RX rate match insert/delete -ve pattern (hex) ユーザー指定の20 ビット・パターン RX レートマッチFIFO に-ve (負) ディスパリティー値を16 進数の文字列で指定します。
RX rate match insert/delete +ve pattern (hex) ユーザー指定の20 ビット・パターン RX レートマッチFIFO に+ve (正) ディスパリティー値を16 進数の文字列で指定します。
Enable rx_std_rmfifo_full port On / Off オプショナルのrx_std_rmfifo_full ポートをイネーブルします。
Enable rx_std_rmfifo_empty port On / Off rx_std_rmfifo_empty ポートをイネーブルします。
PCI Express* Gen3 rate match FIFO mode

Bypass

0 ppm

600 ppm

PCI Express Gen3 のレートマッチFIFO にPPM 許容値を指定します。
表 35.  Word Aligner and Bitslip パラメーター
パラメーター 範囲 説明
Enable TX bitslip On / Off このオプションをオンにすると、PCS はビットスリップ機能を含みます。発振されるTX データを、tx_std_bitslipboundarysel コントロール信号によって指定したビット数だけスリップさせることができます。
Enable tx_std_bitslipboundarysel port On / Off tx_std_bitslipboundarysel コントロール信号をイネーブルします。
RX word aligner mode

bitslip

manual (PLD controlled)

synchronous state machine

deterministic latency

標準PCS のためのRX ワードアライナー・モードを指定します。ワード整列幅はPCS およびPMA 幅に依存し、また8B/10B がイネーブルされるかどうかに依存しています。

詳細については、「ワードアライナー」を参照してください。

RX word aligner pattern length

781016203240

ワードアライナーがアライメントに使用するパターンの長さを指定します。

「ワードアライナー」の「RX ワードアライナー・パターン長」の表を参照してください。この表は、使用可能なワードアライナー・モードで指定可能な「RX ワードアライナー・パターン長」の値を示しています。

RX word aligner pattern (hex) ユーザー指定 ワード・アライメント・パターンを16 進数で指定します。
Number of word alignment patterns to achieve sync 0 ~ 255 ワードアライナーが同期をロックする前に受信する必要がある、有効なワード・アライメント・パターンの数を指定します。デフォルトは3 です。
Number of invalid words to lose sync 0 ~ 63 ワードアライナーが同期を失う前に受信する必要がある、無効なデータコードまたはディスパリティー・エラーの数を指定します。デフォルトは3 です。
Number of valid data words to decrement error count 0 ~ 255 エラーカウンターをデクリメントするために受信する必要がある有効なデータコードの数を指定します。ワードアライナーがエラーカウントを0 までデクリメントするのに十分な、有効なデータコードを受信すると、ワードアライナーは、同期のロックに戻ります。
Enable fast sync status reporting for deterministic Latency SM On / Off イネーブルすると、デシリアライザーがワードをアライメントするためにビットスリップを完了した直後に、rx_syncstatus がHigh にアサートします。これが選択されていなければ、サイクルスリップ動作が完了し、ワード・アライメント・パターンがPCS によって検出された (たとえばrx_patterndetect がアサートされた) 後にrx_syncstatus がアサートします。このパラメーターは、CPRI (Auto) プロトコルが選択された際にのみ適用されます。
Enable rx_std_wa_patternalign port On / Off rx_std_wa_patternalign ポートをイネーブルします。ワードアライナーがマニュアルモードでコンフィグレーションされ、この信号がイネーブルされている場合に、ワードアライナーは次に受信するワード・アライメント・パターンにアライメントします。
Enable rx_std_wa_a1a2size port On / Off オプショナルのrx_std_wa_a1a2size コントロール入力ポートをイネーブルします。
Enable rx_std_bitslipboundarysel port On / Off オプショナルのrx_std_bitslipboundarysel ステータス出力ポートをイネーブルします。
Enable rx_bitslip port On / Off rx_bitslip ポートをイネーブルします。このポートは、標準PCS とエンハンストPCS とで共有されています。
表 36.  Bit Reversal and Polarity Inversion
パラメーター 範囲 説明
Enable TX bit reversal On / Off このオプションをオンにすると、8B/10B エンコーダーはTX パラレルデータをシリアル化するために、PMA に送信する前に逆転させます。送信されるTX データビットの順序は逆転されます。通常の順序はLSB からMSB です。逆転された順序はMSB からLSB です。回路の動作中に、この設定をダイナミック・リコンフィグレーションによって変更することができます。
Enable TX byte reversal On / Off このオプションをオンにすると、8B/10B エンコーダーはデータを送信する前にバイトの順序を逆転させます。この機能を使用すると、誤った形に入れ替わったバイトの順序を逆転させることができます。PCS は、PCS からPMA へのインターフェイス幅が16 ビット、または20 ビットである際の、8 ビット・ワード、または10 ビット・ワードの、どちらの順序も入れ替えることができます。このオプションは一部のTransceiver configuration rules では有効ではありません。
Enable TX polarity inversion On / Off このオプションをオンにすると、tx_std_polinv ポートはPMA へのTX パラレルデータの極性反転を制御します。このパラメーターをオンにする場合には、Enable tx_polinv port もオンにする必要があります。
Enable tx_polinv port On / Off このオプションをオンにすると、tx_polinv 入力コントロール・ポートがイネーブルされます。ボードレイアウト時にシリアル差動リンクの信号が誤った形に入れ替わった場合に、正と負の信号を入れ替えるためにこのコントロール・ポートを使用します。
Enable RX bit reversal On / Off このオプションをオンにすると、ワードアライナーがRX パラレルデータを反転させます。受信するRX データビットの順番は逆転されます。通常の順序はLSB からMSB です。逆転された順序はMSB からLSB です。この設定はダイナミック・リコンフィグレーションによって変更することができます。

Enable RX bit reversal をイネーブルする際にはEnable rx_std_bitrev_ena port もイネーブルする必要があります。

Enable rx_std_bitrev_ena port On / Off このオプションをオンして、rx_std_bitrev_ena コントロール・ポートをアサートすると、RX データの順序が逆転されます。通常の順序はLSB からMSB です。逆転された順序はMSB からLSB です。
Enable RX byte reversal On / Off このオプションをオンにすると、ワードアライナーはRX FIFO にデータを格納する前にバイトの順序を逆転させます。この機能を使用すると、誤った形に入れ替わったバイトの順序を逆転させることができます。PCS は、PCS-PMA のインターフェイス幅が16 ビット、または20 ビットである際の、8 ビット・ワード、または10 ビット・ワードの、どちらの順序も入れ替えることができます。このオプションは一部のTransceiver configuration rules では有効ではありません。

Enable RX byte reversal をイネーブルする際にはEnable rx_std_byterev_ena port も選択する必要があります。

Enable rx_std_byterev_ena port On / Off このオプションをオンにして、rx_std_byterev_ena 入力コントロール・ポートをアサートすると、PMA から受信した8 ビットまたは10 ビット・ワードそれぞれの順番が入れ替えられます。
Enable RX polarity inversion On / Off

このオプションをオンにすると、rx_std_polinv ポートはRX パラレルデータの極性を反転します。このパラメーターをオンにする場合には、Enable rx_polinv port もイネーブルにする必要があります。

Enable rx_polinv port On / Off このオプションをオンにすると、rx_polinv 入力がイネーブルされます。ボードレイアウト時にシリアル差動リンクの信号が誤った形に入れ替わった場合に、正と負の信号を入れ替えるためにこのコントロール・ポートを使用します。
Enable rx_std_signaldetect port On / Off このオプションをオンにすると、オプショナルのrx_std_signaldetect 出力ポートがイネーブルされます。この信号はPCI Express プロトコルに必要です。イネーブルすると、信号しきい値の検出回路が、RX 入力バッファーの信号レベルが指定された信号検出しきい値電圧を超えているかどうかを検出します。信号検出しきい値は、Quartus Prime Assignment Editor を使用するか、Quartus Settings File (.qsf) を修正することにより指定できます。
表 37.  PCIe Ports
パラメーター 範囲 説明
Enable PCIe dynamic datarate switch ports On/Off このオプションをオンにすると、pipe_ratepipe_sw、およびpipe_sw_done ポートがイネーブルされます。これらのポートをマルチレーンのPCIe Gen2 およびGen3 コンフィグレーションのPLL IP コア・インスタンスに接続します。pipe_sw ポートとpipe_sw_done ポートは、マルチレーン・ボンディング・コンフィグレーションでのみ使用可能です。
Enable PCIe pipe_hclk_in and pipe_hclk_out ports On/Off このオプションをオンにすると、pipe_hclk_in ポートとpipe_hclk_out ポートがイネーブルされます。これらのポートはPCI Express コンフィグレーションのPLL IP コア・インスタンスに接続する必要があります。
Enable PCIe Gen3 analog control ports On/Off このオプションをオンにすると、pipe_g3_txdeemph ポートとpipe_g3_rxpresenthint ポートがイネーブルされます。これらのポートはGen3 コンフィグレーションのイコライゼーションに使用します。
Enable PCIe electrical idle control and status ports On/Off このオプションをオンにすると、pipe_rx_eidleinfersel ポートとpipe_rx_elecidle ポートがイネーブルされます。これらのポートはPCI Express コンフィグレーションに使用します。
Enable PCIe pipe_rx_polarity port On/Off このオプションをオンにすると、pipe_rx_polarity 入力コントロール・ポートがイネーブルされます。このオプションは、PCI Express コンフィグレーションのチャネル信号極性の制御に使用します。標準PCS がPCIe 向けにコンフィグレーションされた場合に、この信号のアサートによりRX ビットの極性が反転されます。他のTransceiver configuration rules では、オプショナルのrx_polinv ポートがRX ビットストリームの極性を反転させます。